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2022 年度 実績報告書

乳癌における脂質メディエーターを標的とする薬物送達システムを用いた新規治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22H03140
配分区分補助金
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

永橋 昌幸  兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (30743918)

研究分担者 奥田 修二郎  新潟大学, 医歯学系, 教授 (00512310)
盛本 浩二  甲子園大学, 栄養学部, 教授 (00599996)
張 宗哲  国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 特別研究員 (00774853)
阿部 学  新潟大学, 脳研究所, 准教授 (10334674)
三好 康雄  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50283784)
大村谷 昌樹  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60398229)
PRADIPTA AMBARA  東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (90631648)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードスフィンゴシン-1-リン酸 / 乳癌 / ドラッグデリバリー / 脂質メディエーター / 薬剤耐性 / マウスモデル / 創薬
研究実績の概要

今年度は研究課題A、Bに主に取り組み、研究課題D、Eを開始した。研究課題Aでは、乳癌患者の血液(血漿)検体を凍結保存し、S1Pやセラミドを含めたスフィンゴリン脂質を質量分析装置により包括的に定量するリピドミクス解析を行った。現在、リピドミクス解析データを臨床データと合わせて統合解析中である。また、手術によって採取した凍結組織検体を用いて、次世代シークエンサーによるエキソームシークエンスおよびRNAシークエンスを行い、スフィンゴリン脂質の代謝や情報伝達経路に関わる遺伝子群の発現状況を解析中である。研究課題Bでは、細胞実験による新規薬剤の効果検証に取り組んでいる。新規開発したDDS付加S1P標的治療薬(FTY72プロドラッグ)について、各種乳癌細胞株および正常細胞株において細胞実験を行い、MTTアッセイによりIC50を評価した。FTYプロドラッグは乳癌細胞株に優れた増殖抑制効果を示した一方、正常乳腺由来細胞株に対しては増殖抑制効果を示さず、プロドラッグ化による保護作用が確認された。研究課題Dでは、患者癌細胞を用いたマウスモデル(Patient-derived xenograft: PDX model)でS1P標的治療の可能性を検証することを目指しているが、本年度はまず手術で採取した乳癌および正常乳腺組織検体からオルガノイド培養を行い、オルガノイドを用いた細胞増殖アッセイにより、プロドラッグの薬剤効果を評価することができる実験系を確立した。研究課題Eでは条件付KOマウスモデルと新規薬剤モデルとの比較による局所的S1P抑制による抗癌作用メカニズムの解明を目指しており、今年度は条件付きKOマウスの作製を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画に従って、順調に進展している。

今後の研究の推進方策

2023年度は研究課題A、Bの研究を深めていくとともに、研究課題Cを開始し、研究課題D、Eを推進していく予定である。研究課題Aでは、乳癌患者血漿検体のリピドミクス解析データと臨床データとの統合解析中を進め、手術凍結組織検体のエキソームシークエンスとRNAシークエンスによるスフィンゴリン脂質の代謝や情報伝達経路に関わる遺伝子群の発現状況の解析を進める。研究課題Bでは、細胞実験による新規薬剤の効果検証を進め、抗癌剤多剤耐性乳癌細胞株に対するDDS付加S1P標的治療薬(FTY720プロドラッグ)の効果についても検証を行う予定である。研究課題Cでは、ヒト由来乳癌細胞株をヌードマウスに同所移植するXenograftモデルを用いて、DDS付加S1P標的治療薬の効果を評価する。研究課題Dでは、オルガノイドを用いてDDS付加S1P標的治療薬の効果を評価し、さらにマウスにオルガノイドを移植することでPatient-derived xenograft modelを確立する。研究課題Eでは条件付KOマウスモデルと新規薬剤モデルとの比較による局所的S1P抑制による抗癌作用メカニズムの解明を目指しており、条件付きKOマウスの作製をさらに進めていく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] Roswell Park Cancer Institute/Virginia Commonwealth University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Roswell Park Cancer Institute/Virginia Commonwealth University
  • [学会発表] 癌微小環境における脂質メディエーター・スフィンゴシン-1-リン酸の役割2022

    • 著者名/発表者名
      永橋 昌幸、三好 康雄
    • 学会等名
      第60回日本癌治療学会学術集会
  • [学会発表] COPY number alterations is an independent prognostic biomarker in triple-negative breast cancer patients2022

    • 著者名/発表者名
      Nagahashi M, Ling Y, Toshikawa C, Hayashida T, Kitagawa Y, Futamura M, Kuwayama T, Nakamura S, Yamauchi H, Yamauchi T, Kaneko K, Kanbayashi C, Sato N, Tsuchida J, Moro K, Nakajima M, Shimada Y, Ichikawa H, Lyle S, Miyoshi Y, Takabe K, Okuda S, Wakai T.
    • 学会等名
      2022 San Antonio Breast Cancer Symposium
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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