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2022 年度 実績報告書

グレリン/グレリン経口アナログによる外科的悪液質の治療

研究課題

研究課題/領域番号 22H03147
配分区分補助金
研究機関大阪大学

研究代表者

土岐 祐一郎  大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20291445)

研究分担者 黒川 幸典  大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (10470197)
山下 公太郎  大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (20747159)
山本 和義  大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70528637)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード外科的悪液質 / グレリン / アナモレリン
研究実績の概要

癌悪液質とは食欲不振、筋肉減少、炎症反応の3つを伴う体重減少という症候群と定義され、グレリンはこの3因子の全てに拮抗する作用を持っている。一方、消化器癌の外科手術、特に胃癌、食道癌、膵臓癌の術後は同様の3徴を示す外科的悪液質といえる病態にある。令和4年には特に、「悪液質改善の臨床的利益を明らかにすること」を目的とした研究を実施した。具体的には胃切除後術後3ヵ月で7.1%、術後6ヵ月で8.6%、術後1年で9.3%、食道亜全摘後には術後1.5ヵ月で8.5%、3ヵ月後で10.7%、6か月後で11.0%、1年後で10.1%の体重減少を認めることを明らかにした。また、胃癌術後退院時の経口摂取カロリーは744kcal/日へ低下し、術後1ヵ月時点において1193kcal/日、術後3ヵ月時点において1513kcal/日、術後6ヵ月時点において1737kcal/日であり、術直後の急激な低下の後、時間をかけて徐々に回復することを示した。さらに術後の体重減少率と術後機能障害(DAUGS20)および術後QOL(EORTC-QLQ-C30)の悪化が有意に相関することを明らかにした。
現在、アナモレリンの特定臨床研究(癌悪液質)において、ウエアラブルデバイス(加速度、心拍数)を用いて、移動距離、高低差、在宅時間、社会行動等の活動性を継続的に評価しているところであり、計画中の外科的悪液質を対象とした試験ではサルコペニアだけではなく、術後化学療法の認容性、入院期間・再入院割合などの臨床的効果を明らかにすることを検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究開始時に設定した以下の3点の検討について、一つ目の検討が順調に進展している。
1)悪液質改善の臨床的利益を明らかにすること
2)グレリン/経口アナログ療法のバイオマーカーを明らかにすること
3)経口アナログとグレリンと効果の差異を明らかにすること

今後の研究の推進方策

現在行っている、また今後計画しているアナモレリンの臨床研究において、ウエアラブルデバイス(加速度、心拍数)を用いて、移動距離、高低差、在宅時間、社会行動等の活動性を継続的に評価する予定である。これまでのグレリン/アナモレリン研究にて筋力の改善効果は認められていないが、日常の運動量を総合的に評価することにより運動機能の改善の観点からのサルコペニア改善を期待する。また、計画中の外科的悪液質を対象とした試験ではサルコペニアだけではなく、術後化学療法の認容性、入院期間・再入院割合など、より顕著な臨床的有効性が証明できるものと期待している。

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公開日: 2023-12-25  

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