研究課題/領域番号 |
22H03151
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
河野 浩二 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40283204)
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研究分担者 |
松本 拓朗 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (40895900)
中嶋 正太郎 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (50723417)
三村 耕作 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (90568031)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | がん免疫療法 / 放射線 / Immunogenic cell death |
研究実績の概要 |
ICIの成功は、癌治療における大きなbreak throughをもたらし、ICIは肺癌、胃癌、大腸癌などのCommon Cancerに対して標準治療として位置づけられ、癌治療体系を根底から変革するパラダイムシフトを起こしている。しかし、ICI単独の奏効率は10-20%、Disease control ratioは30-40%程度と、その臨床効果は未だ満足がいくものでなく、特に、①ICIの有効例と無効例の個別化、②抗癌剤や放射線照射との併用による複合免疫療法(図1)による奏効率の向上という、二つの大きな課題を有している。 現在、ICI+抗癌剤などの複合免疫療法が消化器癌の1次治療として確立しつつある。しかし、ICIの効果を最大限に発揮すべき複合免疫療法の最適化はいまだ改善の余地がある。本申請研究は、放射線照射が腫瘍免疫環境にいかに作用して、ICIとの相乗効果を最大限発揮させるかを明らかにする。我々が実施した胃癌(41例)を対象とした放射線照射+nivolumabの第I/II相臨床試験「サーキット試験」における3ポイントでの経時的な検体(末梢血リンパ球、Plasma)を対象に、(a)CyTOF-based, high-dimensional MHC multimer analysis, (b) TCR repertoire analysis, (c) plasma-derived ctDNA analysisを行い、放射線照射によるImmunogenic cell deathを免疫学的に検証し、最適な相乗効果の機序を探る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定した研究計画で、抗原に反応するリンパ球の検出システム(CyTOF-based, high-dimensional MHC multimerアッセイ)において、再度テストランの必要性が新たに生じたため、次年度に研究計画を繰り越す。 正常人サンプルでのテストランで、データ整合性の不確実性が判明し、アッセイシステムの微調整を再度行い、来年度にはアッセイが完了と想定される。
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今後の研究の推進方策 |
MHC multimer analysisにおいて、健常人によるテストランでの不具合の原因が判明し 、患者サンプルによる本番アッセイのための期間を6か月延長して実施する。
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