研究課題/領域番号 |
22H03153
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
篠原 尚 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70319549)
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研究分担者 |
宇山 一朗 藤田医科大学, 医学部, 教授 (60193950)
能城 浩和 佐賀大学, 医学部, 教授 (90301340)
大森 健 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 消化器外科副部長 (40423181)
池田 正孝 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80335356)
石田 善敬 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (80447664)
倉橋 康典 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10834822)
中村 達郎 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (20898457)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 人工知能 / 深層学習 / 手術支援 / ロボット支援手術 / 結合組織 |
研究実績の概要 |
本研究は,熟練外科医が行った内視鏡手術の画像データに含まれる知識や操作をAIに深層学習させることによって,切除縁を規定する解剖学的ランドマークに関して彼らと同等の認識能,提示能を有するAIモデルを開発し,実用化に向けその精度と安全性の検証を行う多施設共同,産学共同プロジェクトである。研究初年度である2022年度は,胃癌,食道癌,大腸癌,鼠経ヘルニアの各内視鏡(ロボットもしくは腹/胸腔鏡)手術の動画からリンパ節郭清や臓器剥離,脈管分離の場面をとらえたビデオクリップを抽出し,綿密なアノテーション作業によって教師データを作成し,深層学習を行った。作成したAIによるリアルタイム表示を可能にすべく,アルゴリズムの効率化を図った。認識する解剖構造として剥離層に現れる疎性結合組織線維を最優先に開発を進めた。さらに胃癌手術における温存側のランドマークである膵実質,直腸手術における神経線維についても認識精度を上げた。1年間の開発過程を経て,FPSは60を超えるまでに進化し,リアルタイム性はもちろん,認識造物の二重表示や画面分割によるSD表示も可能なレベルに達した。 本研究の目的は,開発した手術画像認識AIを教育,および臨床の現場で活用することである。教育用としては,現在,医学部5年生の臨床実習においてその教育効果を検証するランダム化比較試験を開始した。臨床現場での使用は薬機法の承認を得る必要があるためすぐには難しいが,録画したビデオを振り返るのにAI認識をとり入れたり,学会発表でのプレゼンに活用したりして有用性を実感している。今後これらの成果をまとめて報告しながら,さらにその可能性を探っていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始時点で目標とした,「コンピュータビジョンを用いた外科医の意思決定支援システムの実用化」に向け,開発は順調に進んでいる。複数の外科術式を対象に結合組織線維,膵実質,神経線維のAIによる認識が一定の成果をあげており,次年度目標であった実用化に向けたアルゴリズムの効率化も,予定以上に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
研究方法や材料に変更を加えることなく,このまま開発を進める。すでに開発したアルゴリズムを組み込んだAIをsurgical vision system 「Eureka」として教育用に製品化し,手ごたえを得ている。今後は医療機器としての承認に向け,更なる性能向上を目指したい。
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