研究課題/領域番号 |
22H03159
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
坂上 倫久 愛媛大学, 医学系研究科, 講師(特定教員) (20709266)
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研究分担者 |
高橋 宏隆 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 准教授 (70432804)
青野 潤 愛媛大学, 医学部附属病院, 医員 (70512169)
倉田 美恵 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 講師 (80423440)
泉谷 裕則 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (90419200)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 心血管系 / 大動脈弁 / 心臓 / 石灰化 / 骨芽細胞 |
研究実績の概要 |
動脈硬化関連疾患の一つとして知られる大動脈弁狭窄症は、大動脈弁組織に石灰化が生じることが特徴である。正常弁では、大動脈弁間質に大動脈弁間質細胞が局在しており、その弁尖組織全体は弁内皮細胞によって被覆されることで大動脈弁間質の恒常性が維持されている。これまでの先行研究から、大動脈弁狭窄症は弁間質細胞を起源とした骨芽細胞への分化が重要であると報告されており、骨芽細部への分化制御シグナルを解明することは大動脈弁石灰化の予防治療法の開発へとつながると考えられている。本研究ではその大動脈弁間質細胞から骨芽細胞へと分化する分化系譜をシングルセルレベルで理解することを目的としている。今年度では、トランスクリプトーム解析から骨芽細胞への分化を制御するための新たな遺伝子を特定した。この遺伝子は弁間質細胞の細胞骨格を制御する遺伝子であり、大動脈弁組織における役割については不明であった。In vitro系の実験において、弁間質細胞から骨芽細胞へと分化させるアッセイにおいて本遺伝子を発現抑制すると、骨芽細胞への分化が有意に抑制された。また、この遺伝子は正常大動脈弁組織では発現がほとんど認められず、石灰化などの病態が進行した大動脈弁組織において高発現が認められることから、大動脈弁狭窄症発症に重要な役割を果たすものと考えられる。またアクチン骨格を制御する遺伝子の他に、石灰化大動脈弁組織のカルシウム沈着部位近傍に存在する病態関連細胞やそれらの細胞が発現する遺伝子発現プロファイルも新しく特定できており、これらの細胞が出現する分化系譜についても現在詳しく解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
組織の空間的情報と連動したトランスクリプトミクスデータを取得できており、本研究の目的であるシングルセルレベルでの大動脈弁石灰化機構のメカニズム解明へと着実に研究が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
大動脈弁石灰化機構について、マウス大動脈弁石灰化モデルを用いてin vivoでの解析を進める予定としている。これまでのトランスクリプトミクスによって得られた膨大な遺伝子発現データに基づいて、石灰化を誘導する細胞種の特定とその機能解析を引き続き実施する。解析にはこれまでと同様マウスモデルと大動脈弁間質細胞を用いたin vitro osteoblast differentiation assayを用いて、大動脈弁石灰化機構の全容を明らかにする予定である。
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