研究課題/領域番号 |
22H03163
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大西 秀哉 九州大学, 医学研究院, 准教授 (30553276)
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研究分担者 |
片野 光男 福岡女学院看護大学, 看護学部, 教授 (10145203)
中村 雅史 九州大学, 医学研究院, 教授 (30372741)
中村 勝也 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (60585743)
大薗 慶吾 九州大学, 大学病院, 助教 (60912847)
緒方 久修 九州大学, 大学病院, 特任准教授 (70432945)
中島 欽一 九州大学, 医学研究院, 教授 (80302892)
山崎 章生 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (80404440)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 肺NET / PTPN3 / CACNA1G / チロシンキナーゼ / 増殖能 / 浸潤能 / 癌治療開発 / 遊走能 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、肺神経内分泌腫瘍(肺NET)に新規に見出されたPTPN3-CACNA1G-TKリン酸化経路の分子生物学的解析を行い、同経路の肺NET悪性化(増殖・浸潤・腫瘍形成能など)への関与および肺NET治療への応用を検討する、ことである。PTPN3-CACNA1G-TKリン酸化経路を標的とした普遍的な治療法の開発のために、本年度はまず、PTPN3-CACNA1G-TKリン酸化経路が、他の癌腫でも活性化しているかを検証した。頭頚部扁平上皮癌において検証した。3種類の癌細胞株を用いて検討したところ、2種ではPTPN3の抑制によって増殖能、遊走能、浸潤能が有意に低下したが、1種では増殖能は低下したが、遊走能、浸潤能は逆に有意に亢進した。CACNA1Gの発現においてはPTPN3抑制によって3細胞株共に影響は認められなかった。チロシンキナーゼリン酸化は、前2種の細胞株においてPTPN3抑制によりpERK活性化が認められた。これらの結果より、癌種によって、PTPN3を介するシグナル経路は異なっている可能性が分かり、PTPN3-CACNA1G-TKリン酸化経路に活性化が認められるのは現在のところ、肺NETのみであることが分かった。本年度は、PTPN3活性化に関与するNF-kBを導入した癌細胞、および、PTPN3抑制に寄与するTGF-b1を添加した癌細胞を用いて網羅的解析を行い、PTPN3発現に関与する転写因子あるいは分子をpick upしたいと考えている。また、pick upした候補分子を抑制あるいは過剰発現させることにより、癌形質が変化するかを増殖能、遊走能、浸潤能、抗癌剤感受性の観点から検証したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
PTPN3-CACNA1G-TKリン酸化経路を標的とした普遍的な治療法開発を行うための情報を得るために、PTPN3-CACNA1G-TKリン酸化経路が、他の癌腫でも活性化しているかを頭頚部扁平上皮癌を用いて検証した。この予備実験を先に行ったために、候補分子探索がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、PTPN3活性化に関与するNF-kBを導入した癌細胞、および、PTPN3抑制に寄与するTGF-b1を添加した癌細胞を用いてマイクロアレイ解析を行い、PTPN3発現に関与する転写因子あるいは分子をpick upしたいと考えている。また、pick upした候補分子を抑制あるいは過剰発現させることにより、癌形質が変化するかを増殖能、遊走能、浸潤能、抗癌剤感受性の観点から検証したい。
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