研究課題/領域番号 |
22H03164
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
深澤 拓也 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (20379845)
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研究分担者 |
近藤 英作 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30252951)
山辻 知樹 川崎医科大学, 医学部, 教授 (40379730)
瀧川 奈義夫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (60325107)
佐久間 哲史 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 教授 (90711143)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | オルガノイド / 肺大細胞性神経内分泌癌 |
研究実績の概要 |
肺大細胞神経内分泌癌(large cell neuroendocrine carcinoma: LCNEC)は肺癌の2~3%を占める予後不良癌であり、切除例でも5年生存率は40%程度に過ぎない。また同じく神経内分泌癌に属する小細胞癌と多くの臨床的特徴を共有しながら、その分子生物学的特徴は未だ不明な点が多い。特に癌化に直接関与する遺伝子の知見に乏しく、標的薬剤の開発は遅々としており、発生メカニズムの根幹に関わる研究が求められている。また希少疾患であるため、病態解明に必要な癌モデルが確立されておらず、基礎研究と治療法開発は遅れてきた。本研究は、患者由来 LCNECオルガノイドを用い、新しい分類に基づく小細胞癌治療法が応用できるか、また小細胞癌との間を画す遺伝子変異と転写因子は何か、さらに他組織を含む混合型LCNECの治療抵抗性メカニズムはどのようなものかを、それぞれ独立した検討項目として調べることで当該腫瘍の病態側面を明らかにすることを目的とする。 これまでの検討から、LCNECにおいても小細胞肺癌サブタイプを決める転写因子:ASCL1、NEUROD、POU2F3発現が見られ、ASCL1発現型LCNECオルガノイド においてはBCL-2阻害剤:ABT-263に感受性を示すことが示された。また各オルガノイドに対する薬剤投与後のcell variability解析から、抗癌剤感受性を予測することが可能であり、特に患者に有効でない薬剤の除外できる有用性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
LCNECにおける特異的転写機構の解析に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
他の肺癌の組織型を含む混合型LCNECへの薬剤感受性を解析する。
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