研究課題/領域番号 |
22H03186
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
荒川 芳輝 京都大学, 医学研究科, 講師 (20378649)
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研究分担者 |
垣内 伸之 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (90839721)
中川 正宏 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (10431850)
棗田 学 新潟大学, 脳研究所, 助教 (00515728)
土井 大輔 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点講師 (10587851)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | グリオーマ / 正常脳 / IDH変異型クローン / 先制医療 / 3次元的網羅的ゲノム解析 |
研究実績の概要 |
グリオーマは、腫瘍内多様性のために、単一の細胞内シグナルを標的とする薬剤では治癒困難である。そこで、グリオーマ発生前の早期診断、早期予防治療の開発が必要である。IDH変異型グリオーマでは、IDHがドライバー遺伝子である。正常脳組織、特に若年の正常脳組織においてIDH変異を有するクローンの存在や発生部位、IDH変異を有するクローンが乏突起膠腫、星細胞腫へと異なったクローン拡大に至る分子基盤は明らかとなっていない。そこで、本研究では、正常脳組織のゲノム解析によるIDH変異型グリオーマ発生の分子基盤を解明し、先制医療を開発することを目的とした。デジタルPCRでIDH変異を同定した新潟大学脳研究所所蔵の正常脳組織を用いてIDH変異の免疫染色解析を行い、IDH変異クローンの局在の同定を試みた。しかし、明らかなIDH変異クローンの集積する部位は確認できなかった。そこで、新たに微少検体から少数クローンの存在を同定するディープシークエンス法の開発を行った。今後、ディープシークエンス法による少数の遺伝子変異クローンの同定を進める。IDH変異型グリオーマとその周囲正常脳組織を用いて単一細胞RNA/DNA同時解析を行ったが、IDH変異型グリオーマ周囲の正常脳に存在するIDH変異クローンは、腫瘍と同様の変異を有することから、同じ腫瘍クローンの浸潤であることが確定した。iPS細胞で作成した大脳オルガノイドの樹立のためにhuman induced pluripotent stem(iPS)細胞にIDH1変異を導入するためのベクターを開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
デジタルPCRでIDH変異を同定した新潟大学脳研究所所蔵の正常脳組織を用いてIDH変異の免疫染色解析を行ったが、IDH変異クローンの局在が確認できなかったため、新たな解析手法を開発する必要があったため。
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今後の研究の推進方策 |
新たに微少検体から少数クローンの存在を同定するディープシークエンス法の開発を行った。今後、ディープシークエンス法による少数の遺伝子変異クローンの同定を進める。 IDH1変異を導入したhuman induced pluripotent stem(iPS)細胞を樹立する。
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