研究課題/領域番号 |
22H03189
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
辛 正廣 帝京大学, 医学部, 教授 (70302726)
|
研究分担者 |
高橋 慧 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 研究員 (00852120)
後藤 芳明 帝京大学, 医学部, 講師 (10933608)
金 太一 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (90447392)
宇野 健志 帝京大学, 医学部, 准教授 (90459397)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 3D / virtual reality / simulation / deep learning / auto-detection |
研究実績の概要 |
2023年度は、過去の脳神経外科手術映像・画像を用いたAIによる解剖構造検知に関する機械学習を開始した。2022年度までに3D virtual reality simulation (3D VRS) modelを作成した頭蓋底腫瘍患者における、手術中の映像・画像データを抽出し、この上での解剖学的構造をAIが正しく識別できるように学習させ、術中の解剖構造の認識を行う準備を行った。傍鞍部頭蓋底腫瘍に対する経蝶形骨洞的アプローチの際の手術画像を基に、蝶形骨洞内での画像を中心に、両側の内頚動脈隆起、視神経管、トルコ鞍底、斜台陥凹などを認識するような機械学習を行い、これらについては、概ね解剖構造を正確に検知できるような条件設定を行うことに成功し、成果を学術論文に発表した。さらに、過去のデータによる条件設定が概ね完了したため、2023年に新たにエントリーした患者において、データの検証を開始している。当初予定していた、pterionalアプローチでは、症例数や、症例ごとの構造のばらつきなどから、依然として条件設定の段階であるが、経蝶形骨洞的アプローチにおける解剖構造の術中物体検知については、完全にあらゆる構造の検知をAIのみに任せるよりは、一部、手術映像上と3D VRS model上で、相応する部位を示すことで、AIが解剖構造を検知し、正確に認識する上でのサポートとなることがわかったため、こうしたシステムの追加を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
頭蓋底腫瘍に対する開頭手術、特にpterionalアプローチでは、症例数や、症例の収集に難渋し、また、限られた症例間での構造のばらつきなどから、依然として条件設定の段階である。また、経蝶形骨洞的アプローチにおける解剖構造の術中物体検知については、順調に進展しているが、手術映像上と3D VRS model上で、相応する部位を示して、AIによる解剖構造を検知する能力をサポートした方が、正確性が向上することが判明し、こうしたサブシステムの構築にやや時間を要した。
|
今後の研究の推進方策 |
① 頭蓋底腫瘍に対する経鼻手術・開頭手術のアプローチにおける解剖構造のAIによる物体検知システムを完成 ②脳神経外科手術支援システムの評価
|