研究課題
同定したエクソソーム膜タンパクXの内、膜タンパクDを中心に研究をスタートした。膜タンパクDが微小環境内で生物学的活性を有しているかどうかの確証はまだ無い。そこで膜タンパクDと膜タンパクD陽性エクソソームの機能解析を以下の方法で行った。まず、膜タンパクXの肉腫での発現を免疫組織学的染色で確認し、予後との関連を解析した。膜タンパクX発現群は、肺転移が早期に出現するため予後が悪い傾向にあることが判明した。さらに、膜タンパクD陽性エクソソームを補足できるアッセイ系は既に確立しているので、患者血清の臨床サンプルを用いてELISA法にて検出した。現在、その結果を解析中である。また、臨床検体を用いた研究と共に、生物学的な機能を解析するための基礎的な研究も開始した。膜タンパクD遺伝子を過剰発現した肉腫細胞や、shRNAノックダウンした肉腫細胞株を作製し、形質の変化をin vitro, in vivoで解析中である。さらに、膜タンパクDを過剰発現した肉腫培養細胞や、shRNAノックダウンした肉腫培養細胞から回収した膜タンパクD陽性エクソソームをマウスに全身投与後、低肺転移肉腫細胞株をマウスに移植した。現在、肺転移数への影響を確認中である。さらに、膜タンパクD陽性エクソソームに内包されているmiRNAの解析をスタートした。微小環境内での細胞間シグナル伝達のキープレーヤーを同定することにつながるので大きな意味がある。独自に作成したnativeなエクソソーム膜タンパクDを認識する抗体、とエクソソームに発現する抗CD9抗体でエクソソームをマルチカラー染色し、フローサイトメーターで目的エクソソームを回収した。今後、回収したエクソソームからmiRNAを分離し、microRNA arrayを用いて解析する予定である。
3: やや遅れている
膜タンパクD遺伝子を過剰発現した肉腫細胞や、shRNAノックダウンした肉腫細胞株の作製に時間がかかってしまった。さらに、膜タンパクDが多く含まれているエクソソームの分離が、手技的な点でうまくいかなかったため、研究の進捗が遅れてしまった。
現在のところ研究の進捗は少し遅れてはいるが、概ね順調に進んでいると考えている。近年、膜タンパクDがCovid-19のスパイクタンパクと競合することが、他の研究機関から偶然報告された。福井大学には100例程度の患者血清が保管されているので、この患者血清を用いて、Covid-19感染の重症度と膜タンパクDとの関連を検討する予定である。
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