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2023 年度 実績報告書

遺伝子改変尿路上皮オルガノイドによる膀胱発癌メカニズムの解明と免疫治療のモデル化

研究課題

研究課題/領域番号 22H03211
配分区分補助金
研究機関京都大学

研究代表者

小林 恭  京都大学, 医学研究科, 教授 (00642406)

研究分担者 北 悠希  京都大学, 医学研究科, 助教 (90647455)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード膀胱癌 / オルガノイド / 癌免疫療法
研究実績の概要

膀胱癌において、Trp53 R172H/-(LOH)とPtenの欠失がオルガノイド癌化の必要十分条件であり、basal squamous subtypeの腫瘍を形成する。Trp53 -/-、Pten -/-とTrp53 R172H/-、Pten -/-のオルガノイドを免疫不全マウスおよび野生型B6マウスの皮下に移植すると、腫瘍形成率および腫瘍増大速度はいずれも後者のほうが高いことが分かった。ヒト膀胱癌でもp53変異はほとんどが点変異であることから、p53の点変異がp53の欠失と比較してよりagressiveな腫瘍を形成するメカニズムを探索するに至った。
RNAseqの結果から、野生型p53の欠失がインターフェロンパスウェイの高上方制御に関与することが分かった。一方、Ptenの欠失は代謝パスウェイの情報制御に関与していた。免疫染色とサイトカインアレイにより、p53のR172H変異は、p53欠失と比較してCD8陽性T細胞の腫瘍浸潤が明らかに少なく、サイトカインの放出が少ないことが分かった。このことから、p53のR172H変異は、p53の欠失と比較して免疫逃避メカニズムを誘導することで腫瘍の形成・増大が促される可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、RNAseqやサイトカインアレイの想定する結果が得られた。

今後の研究の推進方策

上述の免疫逃避メカニズムと免疫チェックポイント阻害薬の反応性との関連を調査するため、投薬実験を計画する。p53 -/-、Pten -/-およびP53 R172H/-、Pten -/-のオルガノイド由来同系皮下腫瘍を用いて抗マウスPD-1抗体を投与し、腫瘍増殖を評価するとともに、投与プロトコール終了後の腫瘍組織を採取し、FACSやsingle cell RNAseqにより腫瘍微小環境に与える影響も評価する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Elucidation of the tumorigenic mechanism with a novel bladder cancer syngeneic mouse model using gene-edited organoids derived from bladder epithelium2023

    • 著者名/発表者名
      Akihiro Hamada*, Yuki Kita, Takeshi Sano, Ryosuke Ikeuchi, Hideaki Takada, Kenji Nakamura, Toru Sakatani, Takayuki Goto, Atsuro Sawada, Shusuke Akamatsu, Takashi Kobayashi
    • 学会等名
      第110回日本泌尿器科学会総会

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公開日: 2024-12-25  

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