研究課題/領域番号 |
22H03220
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
碓井 宏和 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (90375634)
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研究分担者 |
中村 名律子 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (00850744)
石井 久美子 千葉大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (10824774)
中田 恵美里 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (30447289)
羽生 裕二 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (40816162)
鈴木 義也 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (50816163)
松岡 歩 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60746981)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 絨毛性腫瘍 / 循環腫瘍細胞由来DNA / cell free DNA / 次世代シークエンサー |
研究実績の概要 |
対象疾患である絨毛性腫瘍の患者3名をリクルートし、研究の説明を行った上で同意を得ることができた。その結果、3名から経時的にcell-free DNA用血漿を採取できた。採取した血漿からcell-free DNAを抽出し、予定通りSTR解析とHRM解析により残存腫瘍由来DNAの検出感度を推定できた。血清hCGが検出可能な段階で、STR解析とHRM解析による残存腫瘍由来ゲノムの検出が不可能になったことを確認した。残存腫瘍の存在に関しては、STR解析とHRM解析の評価はhCG測定よりも感度が劣っていることが明らかになった。 バリアント濃縮システムにより。HRM法による検出感度の向上が得られるか、残存腫瘍のモデル系を用いた検討を行った。PfAgoタンパク質、ガイドDNAを用いて条件検討を行ったが、検出感度を向上させることはできなかった。 NGSによるアンプリコンシークエンスによる残存腫瘍評価系の検討を進めた。HRM法で用いたプライマーペアの中で、特に安定していた23のプライマーペアをミックスしたmultiplex PCR産物をNGS解析を行い、残存腫瘍の評価を行った。fastqファイルのデータから、生成されたリードを解析し、残存腫瘍の評価が可能であることを確認した。STR解析およびHRM解析よりも残存腫瘍の評価に有用であることが確認できた。一方、非特異的な増幅反応も多く含まれていることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた、バリアント濃縮システム系による検出感度向上が当初の想定に反し、難しいことが判明した。条件検討を重ねたが、バリアント濃縮システム系では、困難であると判断し。NGSによるアンプリコンシークエンスによって、残存腫瘍を検出する方向に切り替え研究を進める決断をするところに時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
NGSを利用したアンプリコンシークエンスによるディープシーケンスを通じて、腫瘍由来ゲノムのSNPの存在をカウントする方向性が決まったため、対象患者をリクルートし、治療経過に応じて、採取した血漿からcell-free DNAを抽出し、血清hCGとcell-free DNAのどちらが、高感度かの評価を進める。 HRM解析に用いたSNP増幅プライマーによるmultiplex PCRの系では、非特異増幅が多く、期待した結果が得られなかったため、ローカス毎のアンプリコンシークエンスを設計して評価を行う予定である。 アンプリコンシークエンス増幅用のアダプタープライマーを付加したプライマーペアを作成し。単一ローカス毎に、治療中患者のcell free DNAを用いて、残存腫瘍を評価予定である。
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