研究課題/領域番号 |
22H03231
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
中林 一彦 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 周産期病態研究部, 室長 (10415557)
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研究分担者 |
内山 徹 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 成育遺伝研究部, 室長 (10436107)
阿久津 英憲 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 生殖医療研究部, 部長 (50347225)
熊坂 夏彦 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, エコチル調査研究部, チームリーダー (80525527)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 胎盤 / 子宮内膜 / エンハンサー・プロモーター相互作用 / スーパーエンハンサー |
研究実績の概要 |
1.ヒト胎盤由来細胞・子宮内膜細胞におけるエンハンサー・プロモーター相互作用の網羅的解明のためのmicroC解析法確立: マウス9.5日胚をモデル材料としてmicroCライブラリ作製プロトコールを確立した。マイクロコッカルヌクレアーゼによるクロマチン消化工程においてはDNAサイズ分布を指標に至適条件を決定した。Dovetail社が提供しているデータ解析ツールmicroCをLinuxワークステーションにインストールし、一連のデータ解析が実施できる体制を整備した。本研究で解析対象としているヒト胎盤由来細胞・子宮内膜細胞7種類の細胞のうち5種類についてmicroCライブラリ作製条件検討ならびにライブラリ作製に十分な細胞数の凍結ペレットをストックした。R5年度にこれらの細胞についてmicroC解析を実施する。 2.スーパーエンハンサーカタログ作出とマスター制御因子群同定: 子宮内膜間質細胞と子宮内膜上皮細胞のH3K27ac修飾ChIPseqデータをモデルとして解析ツールROSEによるスーパーエンハンサー群同定とそれらを対象とした転写因子モチーフ解析を解析ツールHOMERなどで実施し、マスター転写因子(TF) 候補群を同定した。 3.運命決定パイオニア転写因子 (PF) 探索に向けての技術確立: 抗5hmC抗体免疫沈降による5hmC濃縮ライブラリ作製条件を決定した。培養細胞ならびにマウス初期胚をモデル材料としてATAC-seqデータ取得・解析法を構築した。R5年度にヒト胎盤由来細胞・子宮内膜細胞を用いて、ATAC-seqデータならびhMeDIPデータを取得する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3つの実施項目のうち二つは予定通りに進んだ。一つは当初予定より少し遅れているが、実験系とデータ解析系の構築は完了しており、令和5年度前半でのキャッチアップが見込まれる。
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今後の研究の推進方策 |
1.ヒト胎盤由来細胞・子宮内膜細胞におけるエンハンサー・プロモーター相互作用の網羅的解明: 5種類の細胞についてcapture-microCデータを取得し、各細胞を特徴付けるエンハンサー・プロモーター相互作用情報を抽出する。産科・婦人科関連疾患GWASで同定された疾患関連バリアント座位(子宮内膜症GWAS座位は14箇所)とエンハンサー・プロモーター相互作用ゲノム位置情報とを比較し、疾患関連バリアントが作用する遺伝子と細胞タイプの特定を試みる。 2.子宮内膜脱落膜化マスター制御因子候補の機能解析: 2022年度に同定したマスター制御転写因子群のうち脱落膜化制御因子候補因子5個についてshRNAノックダウン により分化阻害効率を評価する。 3.ヒト胎盤構成細胞・子宮内膜細胞の運命決定に関わるパイオニア転写因子探索: TS分化誘導系、脱落膜化誘導系で経時的に5hmCデータ・ATAC-seqデータを取得・解析し、パイオニアファクター候補因子結合ゲノム部位を網羅的に同定する。そのゲノム領域群を対象とした転写因子モチーフ解析やChIP-seqデータとの比較により、パイオニアファクター候補群の同定を試みる。
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