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2023 年度 実績報告書

浸潤腫瘍細胞から循環内腫瘍細胞への移行分化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22H03260
配分区分補助金
研究機関山梨大学

研究代表者

齋藤 正夫  山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (90345041)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード上皮間葉転換
研究実績の概要

がん細胞が転移する上で、脈管系浸潤と脈管系内での生存は必須のプロセスである。すでに循環内腫瘍細胞(CTC: circulating tumor cell)の解析が一部行われ、上皮系形質と間葉系形質の双方を発現している独特な腫瘍細胞が循環内で生存しやすいことが明らかとなっている。一方、この独特な形質は、一般的な浸潤細胞の形質とは異なっている。したがって、何らかの付加的な分化メカニズム、もしくは特異な浸潤様式の理解が必要で本研究で明らかにする。
これまで、ヒト培養細胞を用い転移能の高い細胞における細胞分化度に関する研究を行い、複数の転写因子が係わる事を見いだしてきた。そこで、本年度はマウス由来の細胞に、これらの分化に関与する関連転写因子のKO細胞や過剰発現細胞を作製し、in vitroでの評価を行った後、免疫保全マウス個体内で転移する系を構築できた。現在は癌免疫との関連性も加味しながら研究を進めている。一方、そのマウス血液から移植した細胞は簡単に分離できることがわかった。現在、マウスに自然発症させた癌からのCTC樹立に向けた基礎実験を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

循環内腫瘍細胞に関する多くの論文を下に、この細胞を分離するための分子マーカーを探索しているが、細胞毎に変わることがわかりその点で苦労している。また現在マウスで癌を発生させ、そのマウスから循環内腫瘍細胞を分離する基礎実験を行っている。in vitroの実験はほぼ予定通りに進行しているが、マウスを使用した実験は思った以上に工夫が必要である。全体的には概ね順調である。

今後の研究の推進方策

in vitroの実験はほぼ順調であるので、今後はマウスの実験に集中する。マウスの実験は時間がかかることや、動物愛護の観点から極力無駄の無い実験を考慮しながら進める予定である。
現在の研究結果をもとに、マウスに自然発症させた癌を転移することを確認し、そのマウスから循環内腫瘍細胞の分離を行い、細胞を死滅させず生存したまま分離する系の構築を行う予定である。その過程で癌免疫薬の効果と癌細胞の分化度などの比較もあわせて行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] The Snail signaling branch downstream of the TGF-β/Smad3 pathway mediates Rho activation and subsequent stress fiber formation2024

    • 著者名/発表者名
      Motizuki Mitsuyoshi、Yokoyama Takashi、Saitoh Masao、Miyazawa Keiji
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry

      巻: 300 ページ: 105580~105580

    • DOI

      10.1016/j.jbc.2023.105580

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Transcriptional regulation of EMT transcription factors in cancer2023

    • 著者名/発表者名
      Saitoh Masao
    • 雑誌名

      Seminars in Cancer Biology

      巻: 97 ページ: 21~29

    • DOI

      10.1016/j.semcancer.2023.10.001

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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