研究実績の概要 |
口腔癌において発現増強しているmicroRNAと癌進展度の指標(浸潤能, 遊走能, 転移能)について多変量解析を行ったところ, miR-1269aが口腔癌特異的microRNAである可能性が示唆された. そこで, miR-1269aを吸着する環状RNA用塩基配列をルシフェラーゼベクター(circRNA-1269a)に取り込み, 機能解析およびルシフェラーゼアッセイを行った. その結果, 機能解析, シフェラーゼアッセイにおいてcircRNA-1269aがmiR-1269aの機能を有意に低下させ, 細胞増殖および遊走を有意に減少させた. このことから, circRNA-1269aが腫瘍の進行を阻害し, 口腔扁平上皮癌の治療法となりうることが示された.
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今後の研究の推進方策 |
circRNA-1269aがmiR-1269aの下流にどのような影響を与えるかを明らかにするために, データ非依存性解析(DIA)をもちいたプロテオーム解析とin silico解析を行う予定である. また, octExosomeにcircRNA-1269aを搭載し, 口腔癌担癌ヌードマウスモデルへoctExosomeを注入する. circRNA-1269aを内包したoctExosomeの注入による腫瘍の縮小効果を評価し, また移植組織を摘出し, 蛍光免疫染色にて標的因子の発現状況や, アポトーシス・細胞周期関連因子等の動きを定量的にとらえる.
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