研究課題/領域番号 |
22H03287
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
前田 健康 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40183941)
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研究分担者 |
佐藤 友里恵 (山田友里恵) 新潟大学, 医歯学系, 助教 (20804537)
瀬尾 憲司 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40242440)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 神経再生 / 末梢神経 / 血管 / 血管周囲細胞 |
研究実績の概要 |
立案当初の研究計画では、blood vessel associated endothelial fibroblast like cell (bvEFLC)のレポーターマウスの作製のために、cre-loxpシステムとFlp-frtシステムを融合したRCE dualマウスを利用する予定であった。しかしながら、システムの複雑さにcovid-19のパンデミックに伴う限定的な動物輸入などの制限が加わり、作製までに長い期間を要することが分かった。そこで、研究期間内の目的達成のためにcre-loxpシステムのみを用いたレポーターマウスを作製することに変更した。当初の予定よりシンプルな手法を用いたため、短時間でマウスを作製することができた。正常末梢神経のパブリックシングルセルRNAseqのデータを解析し、正常神経内でbvEFLC特異的に高発現している遺伝子を特定した。この遺伝子のcreマウスをR26R Td tomatoマウスと交配し、bvEFLCに赤色蛍光蛋白(RFP)を発現するbvEFLCレポーターマウスを樹立した。我々が過去に特定した各種のbvEFLCマーカーで免疫染色を行ったところ、RFPと共染していたため蛍光蛋白の発現がbvEFLC特異的であることが確認できた。また、血管マーカーの染色により、bvEFLCの血管上の局在と分布を観察した。現在、bvEFLCマウスと血管特異的に緑色蛍光蛋白(GFP)を発現するマウス(Tie2-GFPマウス)を交配し、bvEFLCと血管がそれぞれ異なる色で識別できるマウス(bvEFLC-tomato Tie2-GFPマウス)を作製している。これにより、生きたマウスの生体内でbvEFLCと血管の関係性をより詳細に観察することが可能になると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度の研究により、本研究で最も時間を費やすbvEFLCレポーターマウスの樹立することができた。また、このレポーターマウスによるbvEFLCの標識が信頼性の高いものであることも確認でき、今後の実験の基盤を確立できたため,おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究は当初の研究計画に則した実験を行う。bvEFLCレポーターマウスを神経損傷モデルに供し、神経損傷から再生におけるbvEFLCの変化と動態を解析する。また、bvEFLC-tomato Tie2-GFPマウスに神経損傷を施し、in vivo ライブイメージング技術を用いて生体内での血管、bvEFLCの動態を経時的に観察すると共に、両者の神経再生への関与を解明する。
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