研究課題/領域番号 |
22H03312
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
恒藤 暁 京都大学, 医学研究科, 教授 (70372604)
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研究分担者 |
森田 達也 一般社団法人コミュニティヘルス研究機構, 精神腫瘍学研究部, 研究部長 (70513000)
木澤 義之 筑波大学, 医学医療系, 教授 (80289181)
宮下 光令 東北大学, 医学系研究科, 教授 (90301142)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 緩和ケア / 鎮静 / 終末期 |
研究実績の概要 |
苦痛緩和のための鎮静は、他に緩和手段のない終末期患者に対して意識を低下させることで苦痛を緩和する手段である。近年、鎮静が安楽死の代替手段として用いられているとの懸念があり、臨床的・倫理的・法的な検討の必要性が論じられている。本研究では、死亡前に行われる鎮静、特に持続的深い鎮静の倫理的妥当性を検証する。具体的には以下の5つの研究を包括的に行う。 1:国際共同研究:アジア、ヨーロッパ、北米における苦痛緩和のための鎮静の実践の差を比較する。すなわち、苦痛緩和に対する適応(相応性)、治療目標(意図)、患者の権利としての鎮静(自律性)、生命予後と安楽死の区別の認識を明らかにする。本年度はヨーロッパと日本における鎮静の実態について比較した結果を論文化した(BMJ Open 2022;12:e060489. doi: 10.1136/bmjopen-2021-060489)。 2:予後に関する研究:コホート研究から鎮静が生命予後を短縮するかについて統計学的な推定を行う。本年度は、鎮静が生命予後に与える影響を解析した結果を論文化した(Palliat Med 2022;36:189-199. doi: 10.1177/02692163211057754)。 3:鎮静と安楽死のグレーゾーンに関する国内調査研究:予後が週単位の患者に対する鎮静、予防的鎮静、精神的苦痛に対する鎮静に関する国内の実態を明らかにする。本年度は全国調査の調査項目について検討を行った。 4:評価尺度:鎮静の相応的妥当性に関する評価尺度(治療抵抗性を明確にする評価方法と対応)を検証する。今年度は評価尺度を実際の患者に運用した。 5:倫理的・法的検討:予後が週の単位の鎮静、精神的苦痛に対する鎮静、予防的鎮静に関する倫理的・法的課題を明確にする。本年度は、死亡直前期の鎮静の法的課題について検討をまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、1:鎮静に関する国際共同研究、2:鎮静が予後に与える影響に関する研究、3:鎮静と安楽死のグレーゾーンに関する国内調査研究、4:評価尺度の検証、5:倫理的・法的検討を行うものである。本研究年度において、それぞれ、1:ヨーロッパと日本の比較を解析まで終了、2:解析を終了して論文化まで終了、3:調査票素案の作成まで終了、4:評価尺度の実臨床でのpilot使用の開始、5:死亡直前期の鎮静の法的課題について検討を終了した。以上より、おおむね順調に進捗しているとした。
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今後の研究の推進方策 |
おおむね順調に進捗している。今後とも丁寧に解析を行い、調査研究を計画・実施していきたい。
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