研究課題/領域番号 |
22H03320
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
春田 淳志 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (70758911)
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研究分担者 |
後藤 亮平 筑波大学, 医学医療系, 助教 (20780092)
津川 翔 筑波大学, システム情報系, 准教授 (40632732)
照山 絢子 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (10745590)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | アブダクション / 認知的柔軟性 / 視点教育 / ネットワーク分析 / 多職種連携コンピテンシー |
研究実績の概要 |
1.大学総合診療科の実習において、オンラインで地域診断を行い、そのプログラム評価を行った研究が出版された。学生は地域課題の発見、学生間での地域比較、地域の課題の識別(変動理論)、各自が異なるテーマでプレゼンすることで学生個人に学習責任がうまれたことが明らかになった。この学習プロセスには、アブダクション、認知的柔軟性の刺激などがメカニズムとして機能したため、これらの理論を応用した地域診断の教育プログラムは効果的な学びが促されることが明らかになった。 2.大学のEarly exposure programや選択臨床実習でVRを活用した教材を作成し、学習者への影響を探索した。『患者・家族の視点』や『医師の視点』での振り返りが促され、医師の責任感を学ぶものもいた。 3.ある地域のデータを活用し、情報共有ネットワークの年々の変化を探索した論文が出版された。より軽いケアの必要性を持つ患者のネットワークは、大小のハブリンクを持つ様々な専門職が職種間の仲介役となり、より重度のケアを必要とする患者のネットワークには、他の専門家との相互関係が少ない固定した医療専門家が仲介役になる傾向がにあった。ネットワークの直径は、ケアのレベルに関係なく増加する傾向があった。 4.全国のプライマリ・ケアに従事している医療専門職の高い多職種連携コンピテンシーの関連する要因について明らかにした論文が出版された。多職種連携コンピテンシーの合計スコアの高さは、高い年齢、質改善しやすい組織環境、管理経験有、卒業前と後の多職種連携教育の経験有と有意に関連した。 5.多職種連携に関する研究を進めるにあたり、primary care research connectで シンポジウムを行った。また、日本プライマリ・ケア連合学会で、コロナ禍での多職種連携の現状を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
医学生を対象にした地域診断教育の論文、ネットワーク分析の年次評価の論文、多職種連携コンピテンシーの論文の3つが出版され、現時点で進めているプロジェクトは学会発表やシンポジウムなども行い、おおむね順調に進展している。 フィールドワークはコロナ禍の影響もあり、実施できなかったため、次年度以降進める予定を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に開始したプロジェクトを継続するとともに、多職種連携に関連する研究方法をまとめた論文を出版し、具体的な地域へのフィールドワークなどを踏まえ、多職種連携と複雑な課題の現状を明らかにする。具体的には、以下の5つを検討している。 1.在宅医療 ・ケアに関連するVR教材の活用のなかでキーとなりそうな感知することに焦点を当てて、医療者への反応を調査する。 2.多職種連携に関連する研究方法の概説について、多職種連携という複雑な事象を明らかにするための方法論の全体像を示し、ネットワーク分析、エスノグラフィー、アクションリサーチの具体的方法について紹介する総説を記載する。 3.特定の地域に注目して、多職種連携コンピテンシーの自己評価、施設内外のネットワーク、複雑な課題のパターンについて明らかにする。具体的には限界集落となる地域が増える中で、それに直面した地域でのフィールドワークや調査票を用いた方法で、どのような多職種連携が行われており、彼らは自分たちをどう評価し、どのような複雑な問題に対して、どのようにアプローチしているのかを明らかにする。 4.目的的サンプリングをもとに協力が得られた全国の病院や診療所に対して、コロナ禍での多職種連携の実態を明らかにする。現在10名の総合診療医・家庭医に対してオンラインでのインタビューを行っているため、コロナ禍での対応で顕れてきた多職種連携についてまとめていく。 5.マインドライン研究:マインドラインは、流動的で具現化された間主観的な知識の見方に基づき、コンテキストに対応し、複数の現実の認識を可視化する。そこで、現場の単純には解決できない仮想ケースを用いたインタビューで、医療者の複雑な事象に関するマインドライン概念を明らかにする。
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