研究課題/領域番号 |
22H03365
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
草野 研吾 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (60314689)
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研究分担者 |
山根 禎一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (40297429)
清水 渉 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (50399606)
中井 陸運 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, オープンイノベーションセンター, 室長 (50595147)
岩永 善高 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, オープンイノベーションセンター, 客員部長 (80360816)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | カテーテルアブレーション / ビッグデータ / 心房細動 / J-AB |
研究実績の概要 |
2017年に始まった本邦で行われている不整脈に対するカテーテルアブレーション全例登録事業(J-AB)は27万件を超える前向き登録事業が継続中でアブレーションレジストリとしては世界最大である。このビッグデータを用い、再発率が高く、また世界的にも合併症が増加している心房細動アブレーションについて、患者背景・使用デバイス・アブレーション部位・使用薬剤などの因子と急性期合併症発生や急性期・退院時・1年後の手技成功に関して、機械学習を用いたアブレーションの安全性・有効性に関する予測モデルを作成し、外部検証を行う。この予測モデルによって、治療成績の向上が期待できるのみならず、現在、ガイドラインでも解決されていない高齢者、心不全患者、無症状患者へのアブレーションの妥当性が明らかとなり、治療適応の大きなジレンマに対応できることが期待される。また、J-ABレジストリデータの解析結果を他国のデータベースと比較することで、本邦のカテーテルアブレーション治療の診療実態をより客観的に評価することが可能と考えられるが、同様の報告は存在しない。本研究の目的は、J-ABレジストリデータと他国データベースを用いて、本邦におけるカテーテルアブレーションの合併症発生率とそのリスク要因を明らかにし、本邦でのアブレーション治療の安全性向上に役立てるためのエビデンスを創出することである。 本研究の特徴として、①解析内容については、JAB登録(通年調査)から取得可能な項目を使用しており、実現可能性が高い(Feasible)、②本邦におけるリスク因子を明らかにするとともに、他国と比較した成績を明らかにすることで、特にリスクが高い患者においてリスク低減させる方法が明らかになれば、今後の治療方法を改善することができる(Modifiable)、③中央解析のみである。以上の点で、倫理的に問題がない(Ethical)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1. カテーテルアブレーション治療の安全性、有効性の検討 (J-AB単独の解析) 解析対象データ:通年調査・9月詳細調査(全年度) 解析対象者:初回のカテーテルアブレーション治療を受けた18歳以上の患者 ①上記患者の、治療対象となった不整脈の種類により3群に分ける(心房細動、発作性上室性頻拍、心室頻拍)。②患者背景(年齢、性別、BMI、持続性か発作性か、心房粗動・心房頻拍の有無、併存症(虚血性心疾患・心筋症・弁膜症・脳梗塞既往)、血液検査結果(詳細調査のみ)、心臓超音波検査(詳細調査のみ)使用したカテーテルの種類、施行した追加アブレーション手技、その他の併存不整脈を3群に分けて記述する。③多変量ロジスティック回帰分析を用いて、患者背景を調整し、合併症との関連について解析を行う。④多変量ロジスティック回帰モデルよりリスクスコアモデルを作成する。リスクスコアの内部妥当性の評価にはBootstrap法を用いる。必要に応じて、全体のコホートを7:3あるいは6:4の割合で学習データと検証データに分け、リスクスコア作成とクロスバリデーションを行う。⑤1年後追跡調査がされている症例について、死亡とその他の合併症、有効性について、ログランク検定、Cox比例ハザードモデルを用いて解析を行う。⑥③・④・⑤についてについて、年齢、性別に関して層別解析を行う。年齢や性別で層別化した後に作成したリスクモデルの方が予測能が優れている場合はそちらを採用する。
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今後の研究の推進方策 |
1. カテーテルアブレーション治療の安全性、有効性の検討 (J-AB単独の解析) 解析対象データ:通年調査・9月詳細調査(全年度) 解析対象者:初回のカテーテルアブレーション治療を受けた18歳以上の患者 ①上記患者の、治療対象となった不整脈の種類により3群に分ける(心房細動、発作性上室性頻拍、心室頻拍)。②患者背景(年齢、性別、BMI、持続性か発作性か、心房粗動・心房頻拍の有無、併存症(虚血性心疾患・心筋症・弁膜症・脳梗塞既往)、血液検査結果(詳細調査のみ)、心臓超音波検査(詳細調査のみ)使用したカテーテルの種類、施行した追加アブレーション手技、その他の併存不整脈を3群に分けて記述する。③多変量ロジスティック回帰分析を用いて、患者背景を調整し、合併症との関連について解析を行う。④多変量ロジスティック回帰モデルよりリスクスコアモデルを作成する。リスクスコアの内部妥当性の評価にはBootstrap法を用いる。必要に応じて、全体のコホートを7:3あるいは6:4の割合で学習データと検証データに分け、リスクスコア作成とクロスバリデーションを行う。⑤1年後追跡調査がされている症例について、死亡とその他の合併症、有効性について、ログランク検定、Cox比例ハザードモデルを用いて解析を行う。⑥③・④・⑤についてについて、年齢、性別に関して層別解析を行う。年齢や性別で層別化した後に作成したリスクモデルの方が予測能が優れている場合はそちらを採用する。
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