研究課題/領域番号 |
22H03377
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
佐藤 政枝 横浜市立大学, 医学部, 教授 (30363914)
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研究分担者 |
佐藤 みほ 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (30588398)
川原 理香 松蔭大学, 公私立大学の部局等, 講師 (10638753)
佐野 かおり 大阪医科薬科大学, 看護学部, 講師 (60399251)
加藤 美香 横浜市立大学, 医学部, 助教 (90878282)
田中 慎吾 横浜市立大学, 医学部, 助教 (50963972)
仁井田 裕美 横浜市立大学, 医学部, 助教 (20965298)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 患者中心のケア(PCC) / 共有意思決定(SDM) / 患者報告アウトカム(PRO) / 患者教育 / 転倒・転落予防 / 人工股関節全置換術 |
研究実績の概要 |
初年度は、コロナ禍でも研究を計画的に遂行すべく、主にStudy1(転倒・転落予防)の準備に取り組んだ。より簡易な方法論にて転倒・転落リスクを評価し、患者との共有意思決定に活用できる方法論の提案に向けて、先行研究の成果物である転倒・転落データベースを用いて分析を行った。データは、首都圏の急性期病院(1施設)の1年間(2018年10月~2019年9月)の16歳以上の入院患者10,975例(転倒群:177例、非転倒群:10,798例)であった。転倒の有無(従属変数)、転倒スコア26変数(独立変数)を設定し、χ2検定、Wilcoxon rank sum testにて入院から転倒までの日数とリスク因子を特定した(p<.05)。転倒群は平均在院日数を参考値として、early(10日未満)とlate(10日以上)に2区分した。分析の結果、リスク因子は、early falls(87例)では、転倒歴、筋力低下、理解力の低下、向精神薬の服用、「何でも自分でやる」性格(5変数)が、late falls(90例)では、筋力低下、65歳以上、四肢障害、不安定な歩行(4変数)が抽出された。本結果より、入院の早期と後期で転倒のリスク因子は異なっており、アセスメントの視点ならびに予防的介入においても、患者個々にその時期に合わせた設定の必要性が示唆された。次に、既存のスコア26項目(カットオフポイント:5点)のロジスティック回帰分析(ステプワイズ法)では、リスクモデルとして6変数(65歳以上、不安定な歩行、移動に補助が必要、四肢障害、筋力低下、向精神薬の服用)が抽出され、カットオフポイントは2点であった。リスクモデルの予測精度はAUC0.817(95%CI, 0.79-0.84)と良好であり、転倒アセスメントスコアの簡易化が可能であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍にて、フィールドでの調査ならびにデータ収集は中断したが、既存のリソースを活用して次年度に向けた準備が進められた。
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今後の研究の推進方策 |
Study 1(急性期病院での転倒予防プログラム)では、2つの対象フィールドにてデータ収集を開始する。Study 2(人工股関節全置換術を受ける患者の脱臼予防プログラム)では、対象フィールドにて、共有意思決定(SDM)を考慮した患者教育と患者報告アウトカム(PRO)の実現可能性に関する調査を開始する。
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