研究課題/領域番号 |
22H03430
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京医療保健大学 |
研究代表者 |
渡會 睦子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (50360003)
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研究分担者 |
瀬戸 僚馬 東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (20554041)
湯川 慶子 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (40754370)
今泉 一哉 東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (50454179)
児玉 知子 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (80415471)
三上 佳佑 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 助教 (80805599)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 児童養護施設 / 愛着形成 / 自己肯定感 / 性教育 / 思春期 / プログラム / キャリア教育 / いのちの教育 |
研究実績の概要 |
1)児童養護施設における指導員・施設職員と研修会を開催し、自虐・加虐行為、性問題、思春期問題に関するディスカッションを開催した。四国・中国地区児童養護施設の小学・中学・高等部の児担当指導員・施設関係者を対象に、自虐行為や加虐行為、若年妊娠・人工妊娠中絶・性感染症等の性問題、人付き合いが苦手・面倒等コミュニケーションに深く悩みを持つ思春期問題・生きづらさに関する子どもたちの悩みの実態、職員としての生活においての現在の対応、対応のしづらさ・関係者としての悩み等について話し合った。入所児に対する悩みとして、幼さ51.0%,気分変動47.8%,44.8%,人づきあいが苦手44.8%,攻撃性・暴力44.8%等を持っていることが分かり、子ども間の性暴力は男女間よりも男性同士が多く18.0%であった。児童養護施設ではマウント行為としての性暴力があるため、予防的な関わりとしても一人一人を認めることが大切であることが話し合われた。また、すでに行っている施設内教育として、体の清潔・大切な心と体・他者との距離感(物理的・心理的)等が50%を超えていたが、施設は生活の場であって教育の場ではないとの意見も聞かれた。生活の中で愛情をもって接する中で、自然なかかわりとして教育ができる媒体の必要性も検討された。 これらも経て、各児童養護施設、都道府県保健・福祉行政、教育委員会と潤滑なる協働関係作りも含めた協議会の元となる会議を開催した。 2)児童養護施設は、戦後の孤児収容のための施設としての歴史はあるが、福祉的サービスとしての歴史は浅く海外の文献を用い、文献検討を進めた。 3)第81回日本公衆衛生学会において、「子どもたちの人生を豊かに育むための地域連携~家庭・児童養護施設・学校・地域・行政が連携した取り組み~」と題しシンポジウムを開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していたヨーロッパでの実態調査について、世界情勢の悪化により危険を伴うとして9月に現地協力機関より延期の申し出があり、調査時期・対象国の変更の検討を余儀なくされたが、文献検討を行う等おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
児童養護施設における指導員・施設職員に対し、自虐・加虐行為、性問題、思春期問題に関する調査を進める。研究協力県の各児童養護施設、都道府県保健・福祉行政、学校、児童民生委員・PTA連合会等と協議会を作り、潤滑なる協働関係作りも含めた、研究内容の打ち合わせを行う。 対象国を児童福祉・教育における先進国でもあるオセアニア地域に変更し、児童養護施設の実態把握を行う。 児童養護施設における中学・高等部用紙芝居教材を、既存の本研究者開発教材である『生きるための心の教育』PPT教材・小学生用『伝えたい生と性』(紙芝居教材) をもとに編成し、「児童養護施設の人生を豊かに育むための教育教材」を作成する。教材を用いて研究協力県の各児童養護施設、都道府県保健・福祉行政、学校、児童民生委員・PTA連合会等と協議会を作り、潤滑なる協働関係作りも含めた、研究内容の打ち合わせを行う。 日本公衆衛生学会において、「児童養護施設の人生を豊かに育むための教育」に関するシンポジウムを開催する。
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