研究課題/領域番号 |
22H03479
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
片山 敬章 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (40343214)
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研究分担者 |
岩本 えりか 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (40632782)
石田 浩司 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (50193321)
小河 繁彦 東洋大学, 理工学部, 教授 (80553841)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 動的運動 / 筋交感神経活動 / 筋ポンプ作用 / 心肺圧受容器反射 / 循環調節 |
研究実績の概要 |
軽強度の動的運動時における血管運動神経活動の変化に対する加齢の影響を明らかにすることを目的として研究を進めた. 高齢男性12名のうち9名にて,若齢男性13名のうち9名にてデータを取得することができた.運動にはリカンベント式のエルゴメータを用いた.運動強度は心拍予備の10%,運動時間は4分とした.測定1日目は,心拍数,動脈血圧に加え,筋交感神経活動の測定をマイクロニューログラフィ法を用いて左腕の橈骨神経にて実施した.運動時には体動による影響を少なくするため上肢を簡易ギブスにより固定した.1日目にデータを取得できた対象者のみ,2日目の測定を実施した.2日目は,心拍数,動脈血圧に加えて中心静脈圧の推定のため,肘正中皮静脈へのカテーテル留置および血圧モニタキットを用いて末梢静脈圧を測定した.ベースラン(安静時)の動脈血圧および筋交感神経活動およびは,高齢男性で若齢男性と比較して有意に高い値を示した.運動により動脈血圧は有意に増加し,その増加は高齢男性で有意に大きかった.筋交感神経活動は運動時に両群ともに有意に低下し,その低下の程度に高齢者群と若齢者群で差が認められなかった.推定中心静脈圧は,運動により両群ともに増加し,その増加の程度に差は見られなかった.これらの結果から,高齢男性では若齢男性同様に軽運動負荷時に血管運動神経活動の抑制が見られること,さらに筋ポンプ作用による心肺圧受容器への刺激は高齢男性においても保たれていることが示唆される.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナ感染症の影響で高齢男性のリクルートが困難であったが,運動時の循環応答について若齢者群と比較可能な人数にてデータが取得できたため.
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今後の研究の推進方策 |
高齢男性における運動時のデータが取得できたことから,今後は高齢女性および若齢女性を対象とし,性差および加齢による筋ポンプ作用および心肺圧受容器反射への影響についてさらに研究を進める.
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