研究課題/領域番号 |
22H03485
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
小峰 昇一 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 助教 (10839088)
|
研究分担者 |
竹越 一博 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40261804)
松井 崇 筑波大学, 体育系, 助教 (80725549)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 東洋医学 / 鍼通電刺激 / 免疫 / エンドトキシン |
研究実績の概要 |
激しい運動後には,一過性の免疫機能低下状態「オープンウィンドウ現象」が生じる.古典に,ツボ(足三里)への刺激は免疫機能の向上に効果があることが知られているが,その科学的根拠は十分とは言えない現状がある.近年,マウスに対する足三里への鍼通電刺激 (EA)はエンドトキシン耐性を増大し,生存率を増大させる報告がされた (Liu et al., 2021 Nature).このことから,人においても同様に,足三里に対するEAはエンドトキシン耐性を増加させ,免疫応答を変容させる可能性がある.しかしながら,鍼通電刺激 (EA)が血中免疫応答の変容を介してオープンウィンドウ現象とそれに随伴する上気道感染罹患率に与える影響は解明されていない.本研究課題では,EAが激運動後の免疫機能恒常性と上気道感染症に与える効果を明らかにする.本年度は以下の実験を実施した. 60名をCON群とEA群の二群に分け,EA群に関しては1週間連続した足三里へのEAを行った.その後,採血を行い,全血のエンドトキシン添加による炎症性サイトカイン濃度の測定を行った.その結果,TNF-aの抑制が認められた.ヒトにおける足三里へのEAは,全血中におけるエンドトキシン応答を変容させることが明らかになった.回収した他の指標(腸管通過時間評価,FACSによる細胞集団解析,末梢血単核細胞中の遺伝子変化)については回収が終了している.現在解析中であり,次年度に報告できる予定である. 今後は,腸管に関するアンケート解析,食習慣解析,体組成,鍼通電刺激後の血球組成,サイトカイン応答,mRNA発現量の変容を解析し,次年度の運動負荷実験に向けた準備を進める.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒトにおける1週間EAが全血中エンドトキシン耐性に与える効果に関して文献はない.エンドトキシン添加量,培養時間の検討と,サイトカイン分泌量の解析について,エンドトキシン濃度を振り,慎重に検討した結果,現在の結果が得られたため. また,被験者の募集は予定通り70人ほど回収が終了し,滞りなくサイトカイン解析が行え,TNF-a濃度に仮説通りの差が認められ,EA群で低値を示したため.
|
今後の研究の推進方策 |
今後は,腸管に関するアンケート解析,食習慣解析,体組成,鍼通電刺激後の血球組成,サイトカイン応答,mRNA発現量の変容を解析する.特に炎症・免疫に関する項目を解析し,次年度の運動負荷実験に向けた準備を進める.
|