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2022 年度 実績報告書

皮膚貼付型リアルタイム・ストレス・センサシステムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 22H03496
配分区分補助金
研究機関東海大学

研究代表者

槌谷 和義  東海大学, 工学部, 教授 (50399086)

研究分担者 上辻 靖智  大阪工業大学, 工学部, 教授 (00340604)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワードセンサ / アンモニア / pH / ストレス / 疲労
研究実績の概要

本研究は,医学・理学・工学者らの分野横断的な協働により皮膚貼付型リアルタイム・ストレス・センサシステムの開発を遂行し,特に,汗中アンモニア・乳酸塩に結合する際の水素イオンの検出センサの開発,またセルフ発電・コンデンサ素子をシート上に構築することである.特に,オーバワークなどの肉体的ストレスや,過度な期待や緊張を感じているいわゆる精神的なストレスのみならず,外的な要求にかろうじて対処できている状態であっても蓄積されたストレスとして認識されるその進行度合いを知るために,皮膚貼付型リアルタイム・ストレス・センサシステムを開発し,ストレスとpHの生理的な関係を解明することにある.今年度は,項目1:センサ機能を持つナノシートの作成およびその高機能化,を実施し,以下の2課題の研究を遂行した.
本実験では汗を連続的に簡便に測定することが出来るアンチモン電極を使用し,参照電極にはAg/AgIO3を用いて,作用電極と参照電極の電位差からpHを測定した.この2電極には,電圧とpHに線形性があることが先行研究で確認されていることから,汗中の乳酸を測定し,測定したpHの変化から乳酸が疲労のバイオマーカーになり得るのか検討した.その結果,(1)乳酸2.01mMではpH0.73変化することを確認した.(2)汗の取得量が増えるとpHが酸性側に推移することを確認した.(3) 汗を取得する部位によってpHが変化することを確認した.今後は,表面積を増大させることで,センサ機能が向上することが見込まれることから,粉末状固体電極を含有する高分子薄膜のセンシング高感度化として,シート面への最適表面修飾設計も研究の範疇となる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、医学・理学・工学者らの分野横断的な協働により皮膚貼付型リアルタイム・ストレス・センサシステムの開発を遂行し、特に、汗中アンモニア・乳酸塩に結合する際の水素イオンの検出センサの開発、またセルフ発電・コンデンサ素子をシート上に構築することである。また目標とするセンサの精度や分解能としては、(1) アンモニアは蓄積されたストレスによる分解能と再吸収機能の低下により比較的ゆっくりとした速度で、汗中に0.15 mmol/Lから6 mmol/L程度のアンモニア濃度の変化を生ずる、(2) 乳酸は、高強度運動直後から60分の間に、汗の乳酸濃度と相関のある血中の乳酸濃度の有意な上昇が見られる(汗の乳酸は定常時の30mmol/Lから10mmol/Lの上昇)、ことから、双方の測定分解能はともに「0.1pH、1mmol/L」を目標とする。研究期間は5年間とし、4項目を明らかにする。項目1:センサ機能を持つナノシートの作成およびその高機能化,項目2:アンモニアセンサ・乳酸センサのセンシングおよび高感度化,および
項目3:セルフ発電技術の確立,項目4:シート型センサによる精神的ストレスおよび肉体的疲労に対するアンモニアと乳酸pHの相関性確認
今年度は,項目1のシート型センサの開発およびアンモニアのセンシングに成功したことから概ね順調に研究が進展していると考える.

今後の研究の推進方策

本研究は、医学・理学・工学者らの分野横断的な協働により皮膚貼付型リアルタイム・ストレス・センサシステムの開発を遂行し、特に、汗中アンモニア・乳酸塩に結合する際の水素イオンの検出センサの開発、またセルフ発電・コンデンサ素子をシート上に構築することである。また目標とするセンサの精度や分解能としては、(1) アンモニアは蓄積されたストレスによる分解能と再吸収機能の低下により比較的ゆっくりとした速度で、汗中に0.15 mmol/Lから6 mmol/L程度のアンモニア濃度の変化を生ずる、(2) 乳酸は、高強度運動直後から60分の間に、汗の乳酸濃度と相関のある血中の乳酸濃度の有意な上昇が見られる(汗の乳酸は定常時の30mmol/Lから10mmol/Lの上昇)、ことから、双方の測定分解能はともに「0.1pH、1mmol/L」を目標とする。研究期間は5年間とし、4項目を明らかにする。
項目1:センサ機能を持つナノシートの作成およびその高機能化,項目2:アンモニアセンサ・乳酸センサのセンシングおよび高感度化,および
項目3:セルフ発電技術の確立,項目4:シート型センサによる精神的ストレスおよび肉体的疲労に対するアンモニアと乳酸pHの相関性確認
次年度より表面積を増大させることで,センサ機能が向上することが見込まれることから,粉末状固体電極を含有する高分子薄膜のセンシング高感度化として,シート面への最適表面修飾設計,さらには項目3:セルフ発電技術の確立に着手する予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Vertically Aligned Porous VxOy Nanofilms with Pt Decoration for Sub-ppm H2 Gas Sensors2023

    • 著者名/発表者名
      Jyoti Jaiswal, Abhijeet Das, Vivek Chetry, Sanjeev Kumar, Ramesh Chandra, and Kazuyoshi Tsuchiya
    • 雑誌名

      ACS Applied Nano Materials

      巻: 6 ページ: 26462657

    • DOI

      10.1021/acsanm.2c05058

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 高分子を用いた貼付型熱中症用高精度 pH センサの開発および総合的な暑さ指数の提案2022

    • 著者名/発表者名
      菅野 冴夏, Kumar MANI,槌谷 和義
    • 学会等名
      日本機械学会
  • [学会発表] 貼付型疲労センサの開発2022

    • 著者名/発表者名
      水島 蒼太,槌谷 和義, Ganesh Kumar MANI
    • 学会等名
      日本機械学会

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公開日: 2024-12-25  

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