研究課題/領域番号 |
22H03499
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
福岡 義之 同志社大学, スポーツ健康科学部, 教授 (20265028)
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研究分担者 |
石橋 圭太 千葉大学, デザイン・リサーチ・インスティテュート, 准教授 (40325569)
堀内 雅弘 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 教授 (50310115)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 低酸素 / 下半身陰圧負荷 / 下半身陽圧負荷 / 循環応答 / 脳血流 / 換気応答 |
研究実績の概要 |
【目的】高山病で発生する下肢のうっ血や肺高血圧をモデル化し、その統合的な調節を明らかにした。【方法】健康な成人7名(年齢24.7±1.7歳、体重66.7±10.9kg、身長169±3.3cm)を対象に、酸素分圧60~70mmHg の低酸素(Hypo)を下半身陰圧(LBNP)と陽圧(LBPP)しながら常時吸入した。LBNPは無圧(0 mmHg)から-10 と-20mmHg負荷した。その後、0 mmHgに戻してLBPPを+10と+20mmHg負荷した。比較対象に常酸素(Cont)条件を行った。脳血流速度(MCAv)、平均血圧(MAP)、心拍数(HR)、一回拍出量(SV)および皮膚血流(BFskin)を観察し、呼吸系として一回換気量(VT)、 呼吸数(Bf)、換気量(VE)、呼気終末CO2分圧(PETCO2)をbreath-by-breath計測した。【結果と考察】SVはLBNPで低下し、LBPPで上昇した。逆に、HRはLBNPで上昇し、LBPPで低下した。SVおよびHRはすべての圧条件においてCont条件とHypo条件で有意あり、低酸素がHR増加とSV低下を誘導した。Qは圧条件および酸素条件に関わらず一定を保持した。一方で、血圧調節ではMAPはHypo条件で有意に低下し、LBPPで高値傾向となり、これはMCAvや前腕のBFskinの変化にも反映された。Hypo条件でVEの有意な増加が観察され、LBPPではVTの抑制とBfの増加があった。VE亢進に伴ってPETCO2はHypo条件で有意に低下し、BFskinを低下させた。【まとめ】SVとHRで酸素および圧条件の影響が直接反映されたが、最終的にQに両条件の影響をほとんど受けなかった。一方MAPは低酸素で顕著に低下し、低酸素性過換気はPETCO2を下げ、BFskinが低下した。但し、LBPPはMAP、MCAv、BFskinが増加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サンプルサイズは妥当な水準ではあるが、統計的な妥当性を強化するために次年度追加測定するか検討する。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は実験3である「呼吸ー循環ー体温システムに対するエネルギー代謝としての作業効率」をスムーズに遂行する。夏休みにて集中実験を行う。
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