研究課題/領域番号 |
22H03545
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
北條 浩彦 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 神経薬理研究部, 室長 (60238722)
|
研究分担者 |
大木 伸司 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第六部, 室長 (50260328)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | マイクロRNA / 老化 / miR199 / Fmr1 / FMRP / UPS |
研究実績の概要 |
機能性RNA、マイクロRNA199(miR199)の抗老化作用の作用機序を明らかにするため、自然老化マウスに合成miR199二量体を投与し、投与した老齢個体内の遺伝子発現変化を調べる実験を計画し実施した。化学合成したmiR199二量体をDDS剤としてDC-CHOL/DOPE 中空リポソームを用いてマウス尾静脈から全身投与をおこなった。週一回の投与を3回行い、最後の投与の一週間後に脳、心臓、筋肉(大腿四頭筋)、脂肪組織を採取し全RNAを抽出した。得られたRNAを用いてRNAシーケンス解析を行った。現在、その網羅的解析が進行中である。 一方、マイクロRNAやメッセンジャーRNAと結合し、それらを制御するRNA結合タンパク質の解析から、脆弱X症候群の関連遺伝子、Fragile X mental retardation 1(Fmr1)遺伝子がコードするFMRPタンパク質をノックダウン(発現抑制)するとユビキチン-プロテアソーム系(ubiquitin-proteasome system:UPS)が亢進することを見出した。さらに、FMRPと関連するFmr1 autosomal homolog 1 (Fxr1)やDiscs large MAGUK scaffold protein 4 (Dlg4;又はPSD95)遺伝子をノックダウンしてもUPSが亢進することを見出した。そして、興味深いことに、これらの遺伝子ノックダウンは神経突起形成にも影響することが見出された。これらの新しい発見は学会発表、論文掲載によって報告した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者の(R5年度)異動のため、(R4)年度後半は研究スピードを絞って研究課題を遂行した。若干の研究の遅れはあるものの学会発表、論文発表等、十分な成果を上げることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
自然老化マウスの維持、管理、確保が困難になる可能性がある。その対策・対応として、市販の老齢マウスの購入が考えられるが、その場合、年間研究資金に占める購入マウスの割合をどのくらいにするのかが大きな問題となる。効果的・効率的な研究資金の配分を考えていかなければならないと思っている。
|