研究課題/領域番号 |
22H03549
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
堀山 貴史 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (60314530)
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研究分担者 |
伝住 周平 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 協創情報研究部, リサーチアソシエイト (90755729)
和佐 州洋 法政大学, 理工学部, 准教授 (00781337)
栗田 和宏 名古屋大学, 情報学研究科, 助教 (40885266)
脊戸 和寿 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (20584056)
中畑 裕 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (50942067)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 列挙アルゴリズム / 数え上げアルゴリズム / サンプリングアルゴリズム / 離散構造 / 計算モデル |
研究実績の概要 |
列挙、数え上げ、サンプリングなどのアルゴリズムは、互いに深く関連しつつも、それぞれ独自の技法が必要とされることが多い。ここで、同じ制約条件のもとで、つまり同じ解空間において、解の列挙、数え上げなどタイプの異なるアルゴリズムそれぞれを個別に設計する状況を見つめ直し、アルゴリズム設計者が頭の中に持つ解空間に関する理解をもとにアルゴリズムを導出する過程を明らかにすることで、列挙、数え上げ、サンプリングなどのアルゴリズム設計を統一的に扱うための指針を与えることを本研究課題の目的としている。 本研究課題の研究者のみならず、課題外の連携研究者との議論も通して、列挙や数え上げなどのアルゴリズム設計の過程の再検討を行った。具体的には、たとえば、グラフの同型性の観点から代表元のみを列挙する同型性の除去について、ZDD (Zero-Suppressed Binary Decision Disgrams; 零抑制型二分決定グラフ) を用いるアプローチの検討を行った。制約条件を満たす解集合をうまく区分し、それらの区分された解集合相互の関係を表す方法を検討する際に、非同型なものを漏れなく重複なく求められる保証を与える必要があり、具体的なアルゴリズム設計を通して、アルゴリズム設計とアイデア記述に関する知見を得た。また、列挙と深い関連を持つ組合せ遷移問題も含めて、関連分野への応用に関する検討を行った。具体的には、たとえば、45度系格子パターン上での折り紙の展開図の列挙と数え上げの技法についてである。この問題では、縦横および斜め45度方向の格子上のみに折り線の位置を限定し、各頂点で平坦に折ることのできる局所平坦性を制約として、展開図の列挙または数え上げを行っている。また、格子の規則性から、回転および鏡映反転による同型性を考慮する必要があり、応用上の要請だけでなく、本研究課題の方向性にも沿った研究成果である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍ではあったが、2022年9月中旬、11月中旬、2023年2月下旬に対面で集まって議論する機会を設けるとともに、個別での対面やオンラインでの研究打合せを行った。これらの本研究課題内外の研究者との議論を通して、列挙、数え上げなどに関するアルゴリズム設計や計算モデルと計算量理論の見地からの知見を蓄えており、またその知見を研究成果として発表しており、順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は、以下の3つのアプローチからなる。(i) 列挙や数え上げなどに関するアルゴリズム設計者の問題解決のアイデアを記述する手法について考察を行う。(ii) アイデアの記述から列挙や数え上げなどの個々のアルゴリズムを導く統一的なフレームワークを基盤技術として提供する。(iii) 関連分野と連携して、このフレームワークに基づくアルゴリズム設計技法を各分野へと応用する。 アプローチ (i) では、本研究課題の構想の源流である2端子直並列グラフに関する列挙・数え上げ・サンプリングのアルゴリズム設計に関する知見に基づき、非同型な木の列挙問題に主として取り組む。具体的には、各頂点の次数を表す多重集合が入力として与えられた時に、この次数制約を満たす根無し無順序木を列挙するアルゴリズムの設計を行う。この列挙アルゴリズムの設計においては、制約条件を満たす解集合をうまく区分し、それらの区分された解集合相互の関係を表す方法を検討する際に、非同型なものを漏れなく重複なく求められる保証を与える必要がある。こうしたアイデアを記述する方法について知見を蓄えるために、アルゴリズム設計を通じて列挙や数え上げなどのアルゴリズム設計の背後にあるアイデアを整理する。BDD/ZDDアルゴリズムの見地からの検討、逆探索アルゴリズムの見地からの検討、計算モデルと計算量理論の見地からの検討を中心に研究を進める。アプローチ (ii) では、列挙、数え上げ、サンプリングのアルゴリズム設計の過程を再検討し、統一的な導出へと発展させるための検討を進める。アプローチ (iii) では、列挙と深い関連を持つ遷移問題も含めて、さまざまな分野と連携しつつ検討を行う。以上3つのアプローチを連携させ、基礎から応用へとつなげる。また、理論と実践を念頭に、アルゴリズム設計の理論のみならず、アルゴリズム実装にも取り組む。
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