研究分担者 |
伝住 周平 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 協創情報研究部, リサーチアソシエイト (90755729)
和佐 州洋 法政大学, 理工学部, 准教授 (00781337)
栗田 和宏 名古屋大学, 情報学研究科, 助教 (40885266)
脊戸 和寿 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (20584056)
中畑 裕 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (50942067)
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研究実績の概要 |
列挙、数え上げ、サンプリングなどのアルゴリズムは、互いに深く関連しつつも、それぞれ独自の技法が必要とされることが多い。ここで、同じ制約条件のもとで、つまり同じ解空間において、解の列挙、数え上げなどタイプの異なるアルゴリズムそれぞれを個別に設計する状況を見つめ直し、アルゴリズム設計者が頭の中に持つ解空間に関する理解をもとにアルゴリズムを導出する過程を明らかにすることで、列挙、数え上げ、サンプリングなどのアルゴリズム設計を統一的に扱うための指針を与えることを本研究課題の目的としている。 連携研究者も交えた議論を通して、列挙や数え上げなどのアルゴリズム設計の過程の再検討を行った。具体的には、たとえば、グラフの同型性の観点から代表元のみを列挙する同型性の除去について、ZDD (Zero-Suppressed Binary Decision Disgrams; 零抑制型二分決定グラフ) を用いるアプローチの検討を行った。これまでの同型性の除去手法では ZDD 構築時に同型性の認識のために保持する情報が膨大であり、新たな手法の模索・開発を行った。展開図の重なり判定に回転展開法により得られた展開図の重なりを元にそれと同型な部分展開図を ZDD で管理することで、多面体の展開図の重なりを網羅的に調査できるようになった。切頂二十面体では375,291,866,372,898,816,000個の展開図の97.6%が重ならないなど、莫大な個数の展開図を効率的に扱うことができる。また、アルキメデスの角柱や反角柱に対して、上下の正n角形のnと重なりを持たない展開図の割合との関係を調査し、角柱はn=28, 29で88.7%, 48.7%、反角柱はn=17, 18で91.6%, 18.7%と大きなギャップを持つことが分かった。他にも組合せ遷移や文字列等の関連分野への応用に関する検討を行った。
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