研究課題/領域番号 |
22H03551
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
稲永 俊介 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (60448404)
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研究分担者 |
坂内 英夫 東京医科歯科大学, M&Dデータ科学センター, 教授 (20323644)
Koeppl Dominik 東京医科歯科大学, M&Dデータ科学センター, 非常勤講師 (50897395)
中島 祐人 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (80804682)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | アルゴリズム / データ構造 / 文字列データ処理 |
研究実績の概要 |
本研究課題の目的は,アルゴリズム理論と組合せ論の有機的融合によって,広義文字列に対する効率的処理技法を開発することである.本年度は,以下に示す (A)-(E) の重要研究テーマについて,主に以下の研究成果を達成した.
(A) テキストデータ圧縮:(A-1) フィボナッチ語に対するRePair文法の最適性の証明(初の非自明な最小文法の具体例),(A-2) 圧縮感度(テキスト編集後の圧縮サイズの変化量の定式化と解析)(B) 圧縮文字列処理:(B-1) 連長圧縮文字列上の極小不在文字列の高速計算アルゴリズム(極小不在文字列 MAW / minimal absent words に対する初の圧縮データ構造) (C) 文字列比較アルゴリズム: (C-1) デカルト木合致に基づく部分列照合アルゴリズム(新たな時系列データ比較指標とその計算法) (D) オンライン文字列処理:(D-1) 接頭辞/接尾辞制約を満たすパターンの線形時間逐次検出アルゴリズム(パケット通信への応用) (E) 木型文字列に対するアルゴリズム:(E-1) トライ上の極大回文・異なり回文の線形時間計算アルゴリズム(木に対する初の線形時間回文計算法)
これらの成果はすべて,広義文字列に内在する組合せ的性質,および高度なアルゴリズム技術を活用することで達成された.また,これらの結果は,査読付き国際会議および査読付き国際論文誌にて発表済みである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の影響が残る中,着実に研究成果を挙げることができている.特に,コロナ禍以降初めて対面で国際会議(CPM 2022,および ISAAC 2022)に参加し,本研究課題に関する口頭発表を行い,世界各国の研究者と議論を交わすことができたことは大きな成果であった.
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今後の研究の推進方策 |
【現在までの進捗状況】で述べたように,概ね順調に研究が進んでいる.コロナ禍も明けたため,今後は対面での研究討議の機会をより多く確保し,研究を推進していく.
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