研究課題/領域番号 |
22H03556
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
菅原 聡 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (40282842)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | AIアクセラレータ / CMOS / processing-in-memory / SRAM |
研究実績の概要 |
本研究課題ではULVR-SRAMを用い用いて構成されたPIM型NNアクセラレータの研究開発を行う.このULVR-SRAMには,エネルギー極小点(EMP)駆動による高エネルギー効率動作,超低電圧リテンションを用いたパワーゲーティング(PG)による待機時電力削減モード,といったNNアクセラレータの高性能化に有効な機能を実装する.特にVEMP動作によるエネルギー効率(TOPS/W)と積和演算の並列化によるから演算能力(TOPS)の大幅な向上を実現する.並列化には本代表者らが提案しているPIMアーキテクチャを用いる. 本年度は8並列の積和演算(MAC)ユニットを有するPIM型NNアクセラレータ・マクロの開発を行った.このマクロEMP動作から100TOPS/Wの高いエネルギー効率を実現できることを明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はこれまでに開発してきたULVR-SRAMを用いたPIM型NNアクセラレータ・マクロ(Shiotsu and Sugahara, IEEE JxCDC 2022)をベースに,そのMAC演算ユニットの並列化を行った. マルチポートセルを用いることなく,MAC演算を並列化できるPIMアレイの構成法を提案し,8並列のMAC演算ユニットを有するPIM型NNアクセラレータ・マクロの開発を進めた. 開発したマクロのEMP動作(0.4V)の解析から100TOPS/Wの高いエネルギー効率を実現できることを明らかにした.また,0.2Vの超低電圧リテンションを用いたPGによって0.4VのEMP動作時からでも待機時電力を70%以上削減できることを明らかにした.
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今後の研究の推進方策 |
本研究代表者の提案したエネルギー最小点(EMP)動作とパワーゲーティング(PG)可能なULVR-SRAMを用いて,マルチポートセルを用いることなく積和(MAC)演算の並列化が可能なprocessing-in-memory (PIM)型のニューラルネットワークアクセラレータマクロ技術の開発を進める. 本技術をより推論精度の高いアクセラレータに応用するため,INT4等での演算可能なマクロ技術の開発を開始する.また,より効率的な並列化アレイの構成方法の開発も行う.以上の結果を総合してULVR-SRAMを用いたPIM型NNAマクロを実現するための基盤技術を準備・確立する.
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