研究課題/領域番号 |
22H03562
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松田 一孝 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (10583627)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | プログラミング言語 / 関数プログラミング / 双方向変換 / 領域特化言語 |
研究実績の概要 |
双方向変換は異なる種類の複数データ間の同期を可能とし,プログラミング言語,ソフトウェア工学,データベースなど様々な分野で注目を集めている.本研究プロジェクトは,GUI/webアプリケーションへの応用にフォーカスを置き,アプリケーションの記述に十分な表現力と記述性を持った双方向変換ネットワーク記述言語および実行システムについて追究することを目的としている. 令和4・5年度では,指導学生との共同研究により双方向変換を活用したwebアプリケーション作成フレームワークのプロトタイプを作成した.本研究ではModel-View-Updateパターンに基づくwebアプリケーションの設計方式に着目し,双方向変換を利用することでcompositionalなwebアプリケーション構成方法を提案している.より具体的には,本研究ではUIのロジックとデータ同期のロジックを適切に分けるというアイデアに基づき,双方向変換をモデルの同期に用い,ビューの合成のためのコンビネータ言語を提案している.こちらの内容は当該学生の修士論文の内容となった. また,双方向変換等の埋め込み実装技術に関する論文が本分野のトップレベル会議の一つであるICFP 2023に採録された.埋め込み言語は言語を他のプログラミング言語のライブラリの形で実装する技術であり,本研究プロジェクトにおいても重要な基盤技術の一つである.埋め込み言語の利便性の高い構文の表現方法の一つに高階抽象構文がある.提案手法では,Robert Atkeyのunembeddingという技術に基き,双方向変換を含む広範な計算体系を高階抽象構文を用いて埋め込み実装することを可能とする.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
繰越は行ったものの,双方向変換を活用したwebアプリケーション作成フレームワークのプロトタイプを作成することができた.また,本研究の基盤技術の一つである双方向変換言語の埋め込み実装技術に関する論文は本分野のトップレベル会議の一つであるICFP 2023に採録された.他にも過去にOOPSLA 2021で発表した論文のジャーナル版がFMSD誌に採録されている. 以上のことから「おおむね順調に進展している」と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
双方向変換を活用したwebアプリケーション作成フレームワークのプロトタイプは得られたものの,その実装および基盤理論は十分に整理されてはいない.そのためその整理を目指す.また,前述の埋め込み実装技術をさらなる発展を目指す.
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備考 |
システム上の制約で入力できなかったが,2件目の学会発表の発表者"Anders Agren Thune"の"Agren"のAは正確には上にリング付きであり"Thune"のeはアキュート付きである. また,3件目の学会発表の登壇発表者は第2著者.
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