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2022 年度 実績報告書

多様な環境に適用可能なコンピュータビジョンと無線通信のクロスモーダルセンシング

研究課題

研究課題/領域番号 22H03575
配分区分補助金
研究機関東京工業大学

研究代表者

西尾 理志  東京工業大学, 工学院, 准教授 (80711522)

研究分担者 米谷 竜  オムロンサイニックエックス株式会社, リサーチアドミニストレイティブディビジョン, プリンシパルインベスティゲーター (40733481)
山本 高至  京都大学, 情報学研究科, 准教授 (30423015)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード無線センシング / WiFiセンシング / CSIセンシング / 無線イメージング
研究実績の概要

2022年度は、無線通信に起因する不確実性の課題を解消し、様々な無線通信環境をイメージング可能な機械学習モデルを獲得する手法を確立するため、無線通信信号情報から推定対象領域のイメージングに寄与する情報を選択・抽出する方法、ならびに、無線通信信号情報から推定対象領域のイメージングを行う手法を検討した。一般的に機械学習では、入力情報を増やすことは精度向上につながる一方、推論結果に寄与しない特徴量はノイズとなり性能を低下させる要因となる他、入力次元数の増加は訓練に必要なデータ量を増加させる。本研究では機械学習による無線センシングにおいても上記の事象が発生することを実験的に示した。具体的には、無線センシング端末が多数設置された環境において、無線センシング端末を選択的に用いることで無線センシング精度が向上できることを示した。加えて、PCA等の次元圧縮手法を無線信号に適用することで、予測精度を高めることができることを示した。これらの知見をもとに無線信号と環境に関する断片的画像から観測対象環境全体をイメージングする手法を確立した。特に、カメラによる監視において、カメラ画像に大きな死角や欠損が生じた場合において、欠損箇所の正確な画像情報を無線信号を元に復元するRF-Inpainting技術を提案し、その有効性を実験的に示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初予定では、無線信号を用いた環境センシングを行うにあたり無線信号と環境画像の関係性を調査することを目標としていたが、それに加え、無線信号と画像を用いたクロスモーダルセンシングの先駆けとしてRF-inpainting技術の確立に至っているため。

今後の研究の推進方策

RF-Inpaintingの高度化に向け、Wi-Fi CSIを用いたイメージング手法を検討する。特により先端的な機械学習技術を導入し、多次元なCSIからより鮮明な環境画像を復元することを目指す。加えて、無線環境センシングにおいて発生するデータドメインシフトの特性解明と、データドリフトにより生じる予測性能低下の解決方法を検討する。Wi-Fi CSIのドメインシフトについて、これまでも、モデル訓練時と推論時で異なる環境に用いる場合や受信端末や送信端末が移動した場合に発生することが知られていた。それに加え、昨年度の実験により、物理的には人の目で見て静的な状況においても、訓練したモデルが時間経過とともに精度が劣化する事象が発生することが新たに明らかとなった。本年度は、この時間的なドメインシフトについて、原因および特性を明らかにし、その特性に応じた解決策の確立を目指す。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件)

  • [国際共同研究] University of Oulu(フィンランド)

    • 国名
      フィンランド
    • 外国機関名
      University of Oulu
  • [国際共同研究] Deakin University(オーストラリア)

    • 国名
      オーストラリア
    • 外国機関名
      Deakin University
  • [雑誌論文] Vision-Aided Frame-Capture-Based CSI Recomposition for WiFi Sensing: A Multimodal Approach2023

    • 著者名/発表者名
      Shimomura Hiroki、Koda Yusuke、Kanda Takamochi、Yamamoto Koji、Nishio Takayuki、Taya Akihito
    • 雑誌名

      Proc. the 20th IEEE Annual Consumer Communications & Networking Conference (CCNC 2023)

      巻: - ページ: 913-914

    • DOI

      10.1109/CCNC51644.2023.10060680

    • 査読あり
  • [雑誌論文] RF-Inpainter: Multimodal Image Inpainting Based on Vision and Radio Signals2022

    • 著者名/発表者名
      Chen Cheng、Nishio Takayuki、Bennis Mehdi、Park Jihong
    • 雑誌名

      IEEE Access

      巻: 10 ページ: 110689~110700

    • DOI

      10.1109/ACCESS.2022.3214972

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] カメラを用いた人物位置検出のCSIセンシングへの移行に関する実験的な検討2023

    • 著者名/発表者名
      小寺奏怜、太田翔己、西尾理志
    • 学会等名
      電子情報通信学会 SeMI研究会
  • [学会発表] ビームフォーミングフィードバックを用いたリアルタイム侵入者検知2023

    • 著者名/発表者名
      近藤綜太, 山本高至, 西尾理志, 田谷昭仁
    • 学会等名
      電子情報通信学会 SeMI研究会
  • [学会発表] ビームフォーミングフィードバックを用いた見通し判定の検討2023

    • 著者名/発表者名
      下村大貴, 神田高望, 山本高至, 西尾理志, 田谷昭仁
    • 学会等名
      電子情報通信学会 SeMI研究会
  • [学会発表] 点群を用いたミリ波通信品質予測の点群データ量削減に関する基礎的検討2022

    • 著者名/発表者名
      太田翔己、西尾理志、工藤理一、高橋馨子、永田尚志
    • 学会等名
      電子情報通信学会 SeMI研究会
  • [学会発表] Federated Learningにおける典型的な課題と最近の展開2022

    • 著者名/発表者名
      米谷 竜
    • 学会等名
      第25回情報論的学習理論ワークショップ

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公開日: 2023-12-25  

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