研究課題/領域番号 |
22H03577
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
大坐畠 智 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (30361744)
|
研究分担者 |
中川 令 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10910317)
山本 嶺 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (90581538)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | ルータキャッシュ / 超低遅延 / ICN / QoE |
研究実績の概要 |
本研究の目的を実現するため、まず、ICNルータのキャッシュを輻輳制御に用いることでルータの処理待ち遅延のないネットワーク制御を明らかにする(課題1)。次に、通信品質制御を実現するためのICNのルーティングとコンテンツ流通制御手法を明らかにする(課題2)。これらの 評価は、要素技術はシミュレーション実験で用い、システムとしての実装は、まず、研究室内のプロトタイプ実装の基礎的な評価を行う。以下でこれら課題の今年度の実績について述べる。 課題1 ルータのキャッシュを輻輳制御に用いる、ルータのキュー処理待ち遅延のないネットワーク制御:ルータでのキュー遅延をなくすことにより、ルータからの輻輳情報のフィードバックを高速化する制御を手法を明らかにすることを目的に行った。本年度は、ルータのキューの待ち時間を短くするために、超早期輻輳検知によりフィードバック制御の高速化を実現し、QoEの改善を実現しながら通信の公平性も実現する方式を検討した。シミュレーション実験により、その有用性を示した。 課題2 通信品質を考慮したコンテンツ流通制御を実現する自律分散的なICNのルーティング: ICNではコンテンツ名を用いてルーティングをするが、コンテンツ管理手法が十分に検討されていない。ブロックチェーンによりコンテンツ管理を行い、スマートコントラクトを用いてリンクステートルーティングプロトコルをICN上で実現する手法を明らかにするために、ICN上にEthereumをインターネットアプリケーションのまま動作させるための設計を検討し、実装をしている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題1の遅延のないネットワーク実現のため、フィードバック制御を高速さする手法を提案し、シミュレーション実験により、その有用性を明らかにできている。 課題2のスマートコントラクトによるコンテンツ管理、ルーティングの実現のため、EthereumをICN上に実装しているが、一部ICNネイティブで動いていないものの、システムとしては稼働しつつある。
|
今後の研究の推進方策 |
課題1は、次年度以降にルータのキャッシュも用いることによりさらなる低遅延通信の実現を目指していく。オンデマンド動画を対象としてきたが、リアルタイム動画への適応も検討する。 課題2は、次年度以降にスマートコントラクトによる制御ができる見通しがたちつつあるため、スマートコントラクトを用いたコンテンツ管理手法と、ルーティング手法を検討し、実装評価を行う。
|