研究課題/領域番号 |
22H03649
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
畑埜 晃平 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (60404026)
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研究分担者 |
Hashima Sherief 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 研究員 (00865462)
瀧本 英二 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (50236395)
中村 篤祥 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (50344487)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | オンライン予測 / バンディット問題 / 通信工学 / 決定ダイアグラム / 最適化 / ブースティング |
研究実績の概要 |
1.決定ダイアグラムを構成する新たなブースティング手法を開発した.提案手法は既存手法と同じ理論保証を持ちつつ,弱学習アルゴリズムの呼び出し回数を大幅に削減することに成功している.提案手法は2値ニューラルネットを等価な論理回路に変換する際に有用である.特に,提案手法はニューラルネット内の各線形しきい値素子を決定ダイアグラムに変換する際に用いる事が出来,その後回路にさらに変換可能である.手書き数字認識ニューラルネットに対して,既存手法よりもより簡潔な回路を構成すると同時に,ニューラルネットの頑健性の検証タスクにおいて,高速化をもたらした. 2.整数係数の線型不等式群を決定ダイアグラムで表現した上で等価な線型不等式群(拡張定式化)に変換する手法を開発した.提案手法は与えられた線型不等式群が”冗長”な場合により簡潔な不等式群に変換できる.したがって,元の問題に対して最適化問題ソルバーを適用するよりも,提案手法で得られた拡張定式化に対してソルバーを適用する場合により高速に解けることが期待できる.実際,変数サイズと比較して,大規模な制約を持つ数理最適化問題,例えば大規模データ上のソフトマージン最適化問題,に対して有効であることを示した. 3.通信工学上の問題群に対するバンディット手法の応用研究,複数サーバにおけるオンラインスケジューリング問題に対するアルゴリズム開発と理論解析,回転不変なニューラルネットワークの開発,ブースティングに基づく回帰手法の研究を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画における,多様なオンライン意思決定問題の Blackwell ゲームへの帰着手法の研究は,適切な問題をターゲットに現在検討を進めている.一方で,本研究課題の副産物として, ・決定ダイアグラム表現に基づく整数係数線型不等式群の拡張定式化と最適化への応用 ・ブースティングに基づくNNの等価かつ簡潔な論理回路表現への変換と検証への応用 という意義のある結果が得られた.また,通信工学への応用研究も順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
多目的最適化の問題群に対して Blackwell ゲームへの有効な帰着手法を開発する.すでに候補となる問題に対して解析に取り組んでおり,なんらかの成果が期待できる.また,通信工学上のある問題をすでに理論的に定式化しており,現在オンライン版の定式化へと拡張し,アルゴリズム開発を進めている.
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