研究課題/領域番号 |
22H03682
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
鈴木 勇輝 三重大学, 工学研究科, 准教授 (50636066)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | DNAナノテクノロジー / DNAオリガミ / ペプチド / ナノデバイス / 生体分子デザイン / 細胞機能制御 |
研究実績の概要 |
本提案研究では,生細胞上のタンパク質の集積状態を自在に操作する生体分子ナノデバイスを開発し,細胞内の動的構造および細胞の形態・運動性を人為的に制御する新技術の創出へつなげることを目指している. 研究初年度はDNAナノデバイスの人為操作の実現を目標に据え,刺激応答性の設計から着手した.メカニカルな動作を示すDNAオリガミ構造体を基盤に,pH応答性塩基配列,光応答性オリゴヌクレオチド,核酸シグナルによる鎖置換反応などを実装することで,特定の外部刺激に応答して可逆的に収縮・伸張あるいは変形するDNAナノデバイスを設計・構築した. さらに,ペプチド-DNAコンジュゲートの設計と合成に取り組み,DNAナノデバイスの機能化を進めた.細胞接着活性配列であるRGDモチーフや各種ナノボディの抗原ペプチドをDNAデバイス上にアレイ化し,標的タンパク質に対する認識能を付与した. DNAナノデバイスの外部刺激依存的な構造変化については,ゲルシフトアッセイ(EMSA)をはじめとした生化学的手法に加え,蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)測定や原子間力顕微鏡(AFM)によるナノイメージングなどで評価・解析した.溶液中での三次元構造については直接計測することが困難であるため,粗視化シミュレーションによりモデル構築を行ない,AFM画像からの測定値と比較解析した.これらの解析により,開発したDNAナノデバイスについて,設計通りの構造変化を実現できていることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は,本研究課題の基盤技術であるDNAナノデバイスの刺激応答能について,当初の計画以上に拡張性を持たせることができた.DNAナノデバイス上への各種ペプチドのアレイ化についても完了した.
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今後の研究の推進方策 |
初年度に作製した生体分子ナノデバイスを実際に生細胞に作用させ,その効果を検証する.必要に応じて,プロテオリポソームや再構成キネシン-微小管系など用いた機能評価も行なう.
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