研究課題/領域番号 |
22H03697
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷口 一徹 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 准教授 (40551453)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | アグリゲーション / 分散型エネルギーリソース (DER) / 仮想発電所 (VPP) |
研究実績の概要 |
本研究では、近年普及しつつある太陽光パネルやバッテリ、EV、空調などの分散型エネルギーリソース (DER) を活用したカーボンフリーな調整力創出のためのアグリゲーション技術について研究を行う。2022年度は主に2つの内容に取り組んだ。 1つは本研究のベースとなるアグリゲーション技術で、バッテリ劣化を考慮した手法を開発した。アグリゲーション技術では需要家での調整力を取りまとめて必要な調整力を創出する。提案手法では深層強化学習を用いて各需要家のバッテリの充放電を調整することで調整力を創出する。一方、バッテリは充放電を繰り返すと劣化が進行することが知られているため、劣化を抑えつつ必要な調整力を創出することが重要である。そこで本研究では、対象とするアグリゲーション問題の定式化において、バッテリ劣化に影響を与える充放電に関する項を報酬項に組み込むことで、バッテリ劣化と調整力創出の両立に成功した。この成果は、エネルギー情報学分野の国際会議で発表し、現在学術論文誌への投稿に向けて準備を進めている。 もう1つは仮想発電所 (VPP) において需要家の報酬最大化に必要な電力取引価格予測手法である。電力取引価格は需要と供給、他の市場の価格などさまざまな要因で決定される。このような価格が予測できれば、需要家の売買行動にとって有益であり、ひいては必要な調整力を創出するために必要不可欠である。本研究では、深層学習による予測モデル構築に向けて、さまざまな基礎検討を行った。特に、ベースとなるモデルや入力サイズ、入力データの種類などについて最適な組み合わせを探索した。この成果は現在国際会議に投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初予定していた理論的研究は予定通りの成果を上げている。加えて、実証実験環境の構築も予定以上に進んでおり、当初の計画以上に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究に関して、これまで通りの手法で推進する予定である。現状、予定通りに理論的研究は進んでいる。種々の計算機科学的問題についての解法を開発して計算機実験で有効性を示している。加えて、本研究では実証実験も予定しており、その準備も順調に進んでいる。2023年度は実証実験での評価も行う予定である。
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