研究課題/領域番号 |
22H03716
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
塩崎 拓平 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (90569849)
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研究分担者 |
藤木 徹一 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(地球表層システム研究センター), 主任研究員 (30598248)
小野寺 丈尚太郎 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(北極環境変動総合研究センター), 主任研究員 (50467859)
遠藤 寿 京都大学, 化学研究所, 准教授 (80795055)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 生物ポンプ / 沈降粒子 / プランクトン / 炭素循環 / 懸濁態粒子 / マリンスノー |
研究実績の概要 |
本年度は6-7月に観測船「みらい」による西部北太平洋亜熱帯・亜寒帯航海に参加し、マリンスノーキャッチャーを用いた沈降粒子と懸濁態粒子の採取を実施した。本航海では亜熱帯海域で4点、亜寒帯海域で2点で観測を実施した。これによって北極から南極までの全海洋区で沈降粒子のサンプルを採取することができた。
また本年度は北極海で採取した沈降粒子と懸濁態粒子から得られた真核生物群集と原核生物群集のデータの解析を進めた。同海域では沈降粒子と懸濁態粒子の間で真核生物群集に有意な違いが見られた。一方、原核生物群集は両粒子の間で有意な違いは見られなかった。WGCNA(Weighted Gene Co-expression Network Analysis)法及びPLS(Partial Least Squares)法を用いたネットワーク解析の結果、渦鞭毛藻類と珪藻類が沈降フラックスに寄与する主要な分類群であることが分かった。一方で卵菌Peronosporomycetesやシンディニウム目、MASTグループ(MAST-1とMAST-9)、ケルコゾア、繊毛虫は相対存在量が低いにも関わらず、沈降フラックスと強い相関を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までマリンスノーキャッチャーを用いて、北極と亜熱帯、亜寒帯、南極の全ての海洋区での沈降粒子のサンプリングを完了することができた。またそのサンプル分析によって、沈降粒子中の真核生物群集及び原核生物群集のデータが出揃った。さらに北極で得たデータを基にデータの解析方法の検討も完了した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は北極で得られたデータだけではなく、他の海域で得られたデータに対しても同様の解析を進めていく。また今後はセジメントトラップサンプルの解析も実施し、各海域のプランクトン群集の時系列変化を明らかにする。
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