研究課題
急増する洋上風力発電(洋上風力)は海鳥の餌場を消失させたり風車との衝突リスクをもたらしたりするが、現在それらのリスクを精度よく評価・予測する環境アセスメント手法は確立していない。本研究では、北海道で繁殖するカモメ類2種を対象に船舶や海岸からの目視など既存の複数の海鳥観測手法とGPSトラッキング手法を同時に実施し、それぞれの手法から洋上風力のリスクを予測する。それぞれの予測結果を比較・検討し、GPSトラッキングと同様のリスク予測精度を得るための既存手法の最適な組み合わせや実施頻度を検証する。これらにより、洋上風力の海鳥に対するリスクを精度よく予測する実用的な環境アセスメント手法を確立する。研究初年度である2022年度はカモメ類2種のGPSトラッキング調査と同時に定期航路フェリーを用いた洋上分布調査を5-7月の繁殖期を通して実施した。詳細な解析が実施できるまでのデータ量はいまだ集まっていないものの、数十kmの大きなスケールにおいてはフェリーセンサスによってGPSトラッキングデータをある程度再現できることが推察された。次年度はより細かな空間スケールにおける再現性を検証するため、漁船等の小型船舶による洋上分布調査を実施予定である。
2: おおむね順調に進展している
小型船舶による調査は実施できていないものの、大型フェリーによるセンサスとGPSトラッキングデータとの整合性検証は実施できた。
2023年度は前年同様のGPSトラッキング調査と定期航路フェリー調査を実施するとともに、より細かな空間スケールにおける手法間の整合性検証を実施するため、漁船等の小型船舶による洋上分布調査も実施予定である。
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