研究課題/領域番号 |
22H03768
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立水俣病総合研究センター |
研究代表者 |
藤村 成剛 国立水俣病総合研究センター, その他部局等, 部長 (20416564)
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研究分担者 |
鵜木 隆光 国立水俣病総合研究センター, その他部局等, 主任研究員 (00742868)
臼杵 扶佐子 鹿児島大学, ヒトレトロウイルス学共同研究センター, 客員研究員 (50185013)
中村 政明 国立水俣病総合研究センター, その他部局等, 部長 (50399672)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | メチル水銀 / バイオマーカー / ポリチオール化 / miRNA |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、メチル水銀中毒に対する個体感受性の違いを客観的に判定するために、メチル水銀毒性に対する個体差(感受性の違い)を確定しうるバイオマーカーを研究開発することである。そのために、まず、メチル水銀中毒モデル動物を用いた実験によって適切なバイオマーカーを見出す。そして最終的に高濃度メチル水銀曝露集団由来のヒト血液サンプルを用いて、見出したバイオマーカーについてヒトにおける有用性確認を行う。本研究においては適切なバイオマーカーを見出すため、2つの戦略による検討を行っている。 1つ目の戦略は、メチル水銀の無毒化に関与する血中タンパクのポリチオール化についての解析研究である。しかしながら、現在、血中タンパクのポリチオール化についての解析研究については、ポリチオール化がメチル水銀中毒の診断のためのバイオマーカーになりうるという結果は得られていない。さらに、2つ目の戦略は、実際にメチル水銀毒性が発生する脳神経系の防御因子を規定する血中エクソソーム中のmiRNA解析である。毒性防御に有効な miRNAが、メチル水銀毒性脆弱ラットと比較してメチル水銀毒性耐性ラットで約3~10倍発現が高いことが判明している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在の進捗状況は以下の通りである。メチル水銀の無毒化に関与する血中タンパクのポリチオール化についての解析研究については、ポリチオール化がメチル水銀中毒の診断のためのバイオマーカーになりうるという結果は得られていない。次に実際にメチル水銀毒性が発生する脳神経系の防御因子を規定する血中エクソソーム中のmiRNA解析については、メチル水銀毒性に対する抵抗ラット3例および脆弱ラット2例において解析が完了している。毒性防御に有効な miRNA-154, 191, 340が、メチル水銀毒性脆弱ラットと比較してメチル水銀毒性耐性ラットで約3~10倍発現が高いことが判明した。さらに、miRNA-154は細胞骨格維持に関与することから、実際にメチル水銀毒性が生じる大脳皮質と小脳において神経系の細部骨格維持に関与する因子について解析をおこなった結果、Dvlという因子の発現量が、その抵抗性と関係することが明らかとなった。
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今後の研究の推進方策 |
今後、以下のように研究を推進していく予定である。メチル水銀の無毒化に関与する血中タンパクのポリチオール化についての解析研究については、現在の血中タンパクのポリチオール部分を全て開環させる測定方法が問題と考えられるので、次年度は、LC-Mass等を用いた分子長を含めた測定を行う。また、実際にメチル水銀毒性が発生する脳神経系の防御因子を規定する血中エクソソーム中のmiRNA解析については、miRNAの解析例数を追加するとともに、実際にメチル水銀毒性が生じる大脳皮質と小脳におけるmiRNAの制御後に変動する因子についての詳細な解析を行う。
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