• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

富の体現、再配分政治に対する実践とアセンブリ形成:アフリカ都市中間層ボトムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 22H03833
配分区分補助金
研究機関弘前大学

研究代表者

白石 壮一郎  弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (80512243)

研究分担者 椎野 若菜  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (20431968)
萩原 卓也  京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 研究員 (80803220)
岡本 圭史  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (90802231)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード社会移動 / プレカリティ / 機会主義 / 噂・ゴシップ / 友人関係 / 盗み・賄賂 / SNS
研究実績の概要

2022年度は、共同研究メンバー4名が従来の現地調査で得た知見のうち、現地・調査対象の状況と本研究課題との関わりについて確認していくべく、4月-7月の期間にオンラインで2-3時間の研究打ち合わせを計5回もった。これをふまえ、8月から9月(ウガンダ共和国)、および3月(ケニア共和国)に各自が現地調査をおこなった。

3月には年度末の調査中間報告会を開き、今後各自が扱うトピック案をしめし、全体研究課題を部分的に修正した。たとえば、当初は中高等教育大衆化によって増大した中間層予備層(中間層ボトム)は公用語である英語による文書コミュニケーションに親和的で、公的セクターから社会政策による再配分の顕在的・潜在的要求をもつだろうと想定した。しかし、常勤職にある者など一部を除いては公的セクターや海外援助機関などからの再配分システムへのアクセスを試みる事例はほぼみられなかった。それよりも、親族間のパトロン-クライエント関係、妖術など伝統的な部類の再配分や盗み・賄賂などインフォーマルな経路での再配分などに依然として関心が示されていることがわかった。むしろこれらの枠組みのなかで親族間のパトロン-クライエント関係の管理、都市における妖術的なものの語り、盗みや賄賂などへの両義的評価など従来の理解枠組みとみえるもののなかでどのように新規の状況にともなうトピックを扱っているかに着目していくことが本研究課題のために有益である。そのほか、セカンダリ・大学卒の中間層ボトムの結婚戦略や(相対的上層である中間層ふくむ)交友関係、アラブ諸国への若年女子「出稼ぎ」に関する言説なども、注目すべきトピックとして挙げられた。これらのトピックは、近年のアフリカ研究で議論がさかんな婚活アプリ・SNSによるコミュニケーションへの評価や、(南アを中心に研究がおこなわれている)black taxと中間層の脆弱性という問題系に接続しうる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

COVID-19パンデミックおよび政治経済不安による治安悪化などがないかぎり、各メンバーとも設定したトピックに関する現地調査をおこなう。現地調査が困難な場合は、関連する近年の研究文献の検討をおこなう研究会をもつ。

今後の研究の推進方策

本共同研究は全体で4年間の計画であり、2年目にあたる2023年度までは、現地調査によるデータの収集と整理とに全力傾注する。つまり、2022年度と同じくウガンダ共和国(椎野・白石)、ケニア共和国(岡本・萩原・椎野・白石)にて現地調査をおこない、前後して調査計画打合せや調査データ整理の中間報告会を複数回もつ。2024年度、2025年度は、前半2年間の調査データを利用した成果を、国際学会等で口頭発表し、論文として公刊する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] マケレレ大学(ウガンダ)

    • 国名
      ウガンダ
    • 外国機関名
      マケレレ大学
  • [学会発表] Well-being、指標、人類学:開発学におけるwell-being論の展開2022

    • 著者名/発表者名
      白石壮一郎
    • 学会等名
      弘前大学大学院地域共創科学研究科シンポジウム
  • [図書] フィールドワークという探索活動の可能性2023

    • 著者名/発表者名
      白石壮一郎(葉山茂 編)
    • 総ページ数
      108
    • 出版者
      弘前大学人文社会科学部地域未来創生センター

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi