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2022 年度 実績報告書

新規結像ミラー光学系を用いた大視野X線顕微鏡の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22H03866
配分区分補助金
研究機関名古屋大学

研究代表者

松山 智至  名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (10423196)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードX線顕微鏡 / X線ミラー / 大視野
研究実績の概要

実用的なX線顕微分光を実施するためには,大視野,高空間分解能,高効率,色収差のない顕微鏡システムが必要不可欠である.しかし,FZPなどの回折レンズを用いた顕微鏡では効率と色収差の点で課題があった.一方で,反射レンズ(結像ミラー)では視野が狭いという課題があった.本研究では,これまでコマ収差と像面湾曲収差によって大視野化が難しかった結像ミラー光学系において,コマ収差と像面湾曲収差を補正することができる新規結像光学系を実現することを目指している.
本年度は,①光学系の設計,②シミュレーション,③ミラーマニピュレータの開発,を中心に実施した.
①では,複数のミラーから成り,コマ収差と像面湾曲収差を補正できる光学系を設計した.反射率,全長,ミラー曲率半径,作動距離,開口数,斜入射角,コーティング材料を最適化することで,実用的な設計を得た.
②では,光線追跡・波動光学シミュレータを開発した.これを使って①の設計を検討し,また,許容アライメント誤差を算出した.また,両者をハイブリッドしたシミュレータも開発し,高速に波動場を計算できるようにした.
③では,設計したミラーを調整できるミラーマニピュレータの設計を行った.②で予想した許容アライメント誤差を十分に調整できるシステムの開発を進めた.
今後の予定として,ミラーマニピュレータの開発,光学系の試作・テストを実施し,提案した光学系が実用的であることを確認する.また,顕微鏡にインストールすることで,その応用を進める.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通り順調に進んでいる.新しい提案の光学系をうまく設計できた.シミュレータを開発し,その動作をコンピュータ上でテストすることができた.以上は,当初目標であり,それを達成した.

今後の研究の推進方策

今後の計画として,ミラーマニピュレータの開発,光学系の試作・テストを実施し,提案した光学系が実用的であることを確認する.また,顕微鏡にインストールすることで,顕微分光や位相イメージング,CTなどを実施することを目指す.これらの実験は,テスト段階ではSPring-8の放射光(単色X線)を用いて実施する計画を立てている.得られた結果を解析することで,シミュレーションで予想した性能が達成できているか評価する.また,時間が許せば,さらに高性能な光学系をシミュレーションを用いて検討・設計する.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Wide field-of-view x-ray imaging optical system using grazing-incidence mirrors2022

    • 著者名/発表者名
      Matsuyama Satoshi、Inoue Takato、Hata Kentaro、Iriyama Haruhito、Yamauchi Kazuto
    • 雑誌名

      Applied Optics

      巻: 61 ページ: 10465~10465

    • DOI

      10.1364/AO.475891

    • 査読あり
  • [学会発表] 大視野を持つX線斜入射結像光学系の開発2023

    • 著者名/発表者名
      入山陽仁,井上陽登,松山智至
    • 学会等名
      第36回日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウム
  • [学会発表] High-resolution Full-field X-ray Microscope Based on Multilayer Advanced KB Mirrors2022

    • 著者名/発表者名
      S. Matsuyama
    • 学会等名
      XRM2022
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] 名古屋大学松山研究室

    • URL

      https://x-ray.mp.pse.nagoya-u.ac.jp/

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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