研究課題/領域番号 |
22H03873
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
武田 彩希 宮崎大学, 工学部, 准教授 (40736667)
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研究分担者 |
島添 健次 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (70589340)
神谷 好郎 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助教 (90434323)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 中性子 / パルス中性子 / 飛行時間法 / 半導体検出器 / イメージング |
研究実績の概要 |
透過性が高い中性子を用いたイメージングは,非破壊で内部の組成や構造などの情報を我々に与えてくれる重要な手段である。特に,パルス中性子源による飛行時間法を用いた中性子透過イメージングは,材料分析の手法として幅広く応用が期待される。本研究の目的は,現状より1桁小さい10 μmの空間分解能を実現させ,高解像度化による材料分析の新たな展開を切り拓くことである。そのために,次世代宇宙X線観測へ向け開発してきた半導体検出器を中性子イメージセンサへ応用することで,要求を満たす新たな半導体検出器を開発する。初年度は,下記の成果を得た。
1)SOI中性子イメージセンサの開発:製造が完了している大面積SOIイメージセンサの裏面にB-10変換膜を成膜することで中性子に対する感度を持たせた。それらを基板に実装し,評価試験が可能な実機を準備した。そして,宮崎大学の中性子源を用いて基礎特性試験を実施した。その結果,中性子の応答が確認でき,B-10変換膜が機能していることを確認することができた。さらに,新型大面積SOIイメージセンサを製造した。2023年度は,このセンサを用いて評価試験を進めていく。
2)中性子イメージングに特化した改良型SOIイメージセンサの開発:現状のSOIイメージセンサは,次世代宇宙X線観測用途に特化しており,回路構成や読み出し手法など,中性子イメージングに対し最適ではない。特に,計数率は課題である。今年度は,中性子イメージングセンサとして最適な形式を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究を進めていく上で重要な,実機の製造を完了することができた。実際に,中性子に対する応答も確認でき,今のところ特に問題は起きていない。また,中性子イメージングに特化した改良型SOIイメージセンサの検討も進めることができた。よって,計画を遂行する上で順調な進展があったと言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,製造した実機により,J-PARC MLF等のビームラインにてパルス中性子源を用いた実験を実施し,中性子応答に対する評価試験を進める。また,中性子イメージングに特化した改良型SOIイメージセンサの実機の開発も検討を進める。
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