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2022 年度 実績報告書

軟X線電子構造解析ステーションの構築とトポロジカル超伝導体の電子状態解明

研究課題

研究課題/領域番号 22H03874
配分区分補助金
研究機関国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

藤森 伸一  国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 研究主幹 (70343936)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード強相関電子系 / 光電子分光法 / 電子構造
研究実績の概要

本研究課題では、UTe2をはじめとする強相関トポロジカル超伝導体の候補物質に対して軟X線放射光光電子分光実験を適用し、フェルミ面形状とフェルミ準位近傍の準粒子バンド構造を決定することを目的とする。フェルミ面形状からUTe2の超伝導体対称性を明らかにして、その超伝導機構の解明を目指す。
2022年度は、この目的を達成するためにSPring-8 BL23SU光電子分光装置の改良を行った。光電子検出用カメラとそれに伴うデータ収集系一式の更新を行い、さらに最新式の制御ソフトウェア(Scienta Omicron PEAK)の導入を行った。また、ビームライン制御ソフトウェアの改造なども行って、ビームラインと光電子分光装置を一体として運用する仕組みを構築することが出来た。
このシステムを用いて、本研究課題の主な研究対象であるUTe2に対する予備的な光電子分光実験を行った。光電子検出カメラの検出効率が大幅に改善したことにより、従来に比べて2倍以上光電子検出効率が向上していることが確認された。スペクトルの温度変化などの測定も行って、2023年度以降の本格的な実験に向けて、基礎的なデータを得ることが出来た。今後、実験を進めながら、自動化対応などの装置改良も進める。
成果発表に関しては、2022年度は依然新型コロナウィルスの影響があり、国際会議への直接参加が困難であったため、オンライン会議を中心に参加を行った。国際会議における招待講演1件と、オンラインの招待セミナー2件を行い、研究成果の普及に努めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2022年度に目指していた光電子分光装置の改良は順調に進行した。予備実験も行って、予定していた性能を達成していることが確認された。成果公表の面でもオンラインながら順調に進行している。

今後の研究の推進方策

これまでのところ研究は順調に進行している。今後は改良した装置の本格的な運用を行って、目的としているUTe2の高精度なデータ取得を行う予定である。試料冷却に用いる液体ヘリウムの入手が制限されている状況のため、これまでの実験結果や他のグループによる実験結果などを十分考慮しながら効率的な実験を行うことを目指す。特に予備実験の結果から温度変化は小さいことが予想されるため、温度変化測定では測定範囲を絞って実験データの取得を狙う。さらにソフトウェア開発を中心とした装置の整備も進めて、測定自動化によって大量にデータを取得できるシステムの開発を目指す。
成果普及の面では、2023年6月に国際ワークショップ(10th International Workshop on the Dual Nature of f-electrons)を姫路市において開催する。当該分野における国内外の有力研究者が参加する予定であり、研究成果の普及と情報交換、さらに国際的なコミュニティにおける本研究成果の検討を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Electronic structure of UTe2: Perspectives from photoelectron spectroscopy2022

    • 著者名/発表者名
      Shin-ichi Fujimori
    • 学会等名
      International Workshop on the Dual Nature of f-Electrons 2022
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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