• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実績報告書

ミュオン特性X線による非破壊リチウムイメージング

研究課題

研究課題/領域番号 22H03875
配分区分補助金
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

梅垣 いづみ  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教 (20638522)

研究分担者 西村 龍太郎  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特別助教 (00828189)
武田 彩希  宮崎大学, 工学部, 准教授 (40736667)
竹下 聡史  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 研究機関講師 (40450366)
下村 浩一郎  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (60242103)
武田 伸一郎  東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任助教 (80553718)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードミュオン / リチウム / イメージング
研究実績の概要

本研究では、J-PARCのミュオンビームを用いて、リチウムイオン電池の内部に析出する金属リチウムの非破壊イメージングに取り組んでいる。リチウムのミュオン特性X線のエネルギーに最適なシリコンセンサを有する、複数のシリコンイメージャーやシリコン検出器を適応させている。
シリコンの両面ストリップ検出器(DSD)では、金属リチウムの模擬試料を用いて、金属リチウムの有無に引き続き、金属リチウムの濃度の違いを検出することができた。イメージングプレートを用いてビームプロファイルを測定し、得られたイメージングデータから、畳み込みを解いて、実際の試料に起因するイメージングを取得できた。結果は学術論文にまとめている。
シリコンのSOI検出器では、J-PARCのミュオンパルスのタイミングに合わせて、露光タイミングを調整し、エネルギースペクトルを取得し、リチウムに相当する信号が得られた。リチウムイオン電池の試料を用いて、電池を構成する各元素の検出し、基礎データを取得することができた。ミュオン特性X線が検出器に入った時に落とす電荷は小さいので、他の粒子やガンマ線と区別することができる。修士学生が実験に参加し、一部を日本物理学会において口頭発表した。
また本研究を通じて、ミュオン特性X線のイメージングにシリコンDSDやSOI検出器が活用できそうだとわかったので、これを元に大型予算提案をした。本研究の取り組みが高く評価され、採択が決定した。本研究とともに2024年度夏から、大強度パルスビームへの適応性向上とセンサ面積の拡大に本格的に取り組む予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、ミュオン特性X線を用いて、リチウムイオン電池の表面から数から数百μmの深さにあるリチウムを非破壊でイメージングする技術の確立を目指している。動作中のリチウムイオン電池や、同一試料の経過観察をも可能とするため、電池の不適切な使用法により発生する金属リチウム析出を捉えることができ、金属リチウム析出の抑制や制御のための研究開発に役立つと期待される。
これまでの研究で、シリコンイメージャーやシリコン検出器を導入し、金属リチウム板を用いた模擬試料にミュオンを照射して、リチウムのミュオン特性X線のイメージングができることを実証した。
今後、実試料への展開、金属リチウム析出のイメージングが課題としてある。
目標に向けて、順を追って、研究を進めており、概ね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

これまでの研究で、シリコンイメージャーやシリコン検出器を導入し、金属リチウム板を用いた模擬試料にミュオンを照射して、リチウムのミュオン特性X線のイメージングができることを実証した。
次のステップとして、実試料のリチウムイオン電池の金属リチウム析出のイメージングが課題としてある。
シリコンDSD検出器は細かい孔径のコリメータを装着済みで、他の検出器よりも先行している。SOI検出器向けに今年度孔径のより小さいコリメータ作成を検討していたが、検出器と試料の距離を大幅に短縮することで、コリメータ不要で画像が取得できそうである。今年度、検討を深め、検出手法を確立させる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Magnetic phase diagram of Eu1-xCaxCo2P2 determined using muon spin rotation and relaxation2024

    • 著者名/発表者名
      Umegaki Izumi、Moriyama Kodai、Yoshinaga Kohei、Ohishi Kazuki、Elson Frank、Miniotaite Ugne、Palm Rasmus、M?nsson Martin、Forslund Ola Kenji、Sassa Yasmine、Sugiyama Soh、Morris Gerald D.、Hitti Bassam、Michioka Chishiro、Ueda Hiroaki、Yoshimura Kazuyoshi、Sugiyama Jun
    • 雑誌名

      Physical Review B

      巻: 109 ページ: 144408-1~11

    • DOI

      10.1103/physrevb.109.144408

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Nondestructive Detection of Metallic Li Deposition in a Li-ion Battery by Muon Beam2024

    • 著者名/発表者名
      UMEGAKI Izumi
    • 雑誌名

      Vacuum and Surface Science

      巻: 67 ページ: 233~237

    • DOI

      10.1380/vss.67.233

    • 査読あり
  • [学会発表] PF開発のSOIPIX検出器撮像システムの ミュオン特性X線測定への応用2023

    • 著者名/発表者名
      西村龍太郎
    • 学会等名
      日本物理学会
  • [学会発表] SOI-CMOSピクセル検出器を用いた ミュオン特性X線の検出2023

    • 著者名/発表者名
      眞方恒陽
    • 学会等名
      日本物理学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi