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2022 年度 実績報告書

A15系超伝導体超細線ストランドケーブルの加速器用電磁石応用への技術的基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 22H03876
配分区分補助金
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

大内 徳人  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, シニアフェロー (50194080)

研究分担者 王 旭東  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教 (20550346)
菊池 章弘  国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, グループリーダー (50343877)
有本 靖  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 准教授 (90379280)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードNb3Al超細線ストランド超伝導ケーブル / 加速器用超伝導電磁石
研究実績の概要

Nb3Al化合物超伝導材料により外径φ50μmストランド線49本撚りケーブルを作成し、その超伝導特性を測定した。測定は、超伝導ケーブルが直線状で行われた。サンプルケーブルに印加された磁場は0~5Tで、またケーブル温度を4.2 K~15 K間で変化させ、超伝導状態から常伝導状態へ転移する分流開始臨界電流値の測定を行った。得られた結果は、横軸温度、縦軸ケーブル電流値としたプロットに纏められ国内、海外の学会で発表した。
得られた結果は印加磁場毎に纏められ、本ケーブルが直線状態で現在検討を進めている超伝導補正6極電磁石に必要とされる電流密度、分流開始温度を持つことが確認された。今後進めていくケーブル曲げ試験、超伝導補正磁石設計の基本データとなるものとなった。上記ケーブル試験は、試験区間80mm程度の短尺サンプルによる性能評価試験であるが、熱処理後のケーブルの最小曲げ半径を確認後、ケーブル長5m程度のソレノイドを作成し、長尺ケーブルの超伝導特性を測定する。

以上の研究成果は、第19回日本加速器学会年会(2022年10月18日~21日)、2022年度秋季低温工学・超伝導学会(2022年12月7日~9日)、Applied Superconducting Conference(ASC2022)で発表した。日本加速器学会の発表は口頭発表で、他の2件はポスター発表である。また、ASC2022で発表した論文は、IEEE Transactions on Applied SuperconductivityにDOI: 10.1109/TASC.2023.3253073として受理されている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、小型冷凍機冷却超伝導6極電磁石に組み込まれる超伝導補正電磁石用ケーブルとしてNb3Al超細線ストランド超伝導ケーブルの開発を進めている。2022年度の研究成果から、本ケーブルは補正電磁石に必要な超伝導特性を直線状態で十分持ち合わせていることが確認できた。また、直線状態で測定されたケーブル(ストランド外径50μm、49本撚り)は、製作上の工程も見直され、現在では長さ80 mのケーブルを製作することが可能となっている。
測定試験を行う上でマイクロボルトを安定に測定することができるDCアンプが必要となった。電子部品を使用した精密機器の入手が非常に難しくなっているが、これまで高エネルギー加速器研究機構が保持してきた測定器を整備することにより、精度の高い測定を続けることが可能となっている。

今後の研究の推進方策

2022年度の研究では、直線状態での超細線ストランドケーブルの超伝導特性の測定を行い、その性能を確認した。2023年度の研究において、熱処理された直線ケーブルに機械的な曲げ処理を行い、超伝導特性への曲げ効果の影響を測定する。
また、2022年度研究費でφ50μmストランド49本、撚り方式が7x7撚り(70m)、全数撚り(80m)のNb3Alケーブルを製作した。このケーブルを用いて長尺での超伝導特性の試験を行う。2022年度の測定では長さ80mmの長さのケーブルサンプルにより超伝導特性を測定したが、数メータレベルの超細線ストランドケーブルをコイル状にし、その長さにわたって超伝導劣化のないことを確認することは、実際のコイル製作では極めて重要な測定となる。
この測定で問題点が見つかれば、ケーブル製作上の改善を研究することになる。
長尺ケーブル試験で行うケーブルのコイル形状への加工においては、その半径も異なるものを作成し、試験を行う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] SuperKEKB超伝導6極電磁石用超細線ストランドNb3Alケーブル開発(1)2022

    • 著者名/発表者名
      大内徳人、菊池章弘、山本優、王旭東、青木和之、有本靖、宗占國、大木俊征、土屋清澄、河野雅俊
    • 学会等名
      日本加速器学会
  • [学会発表] Nb3Al超細線ストランド超伝導ケーブル開発 -直線状ケーブルの臨界電流値温度依存性測定-2022

    • 著者名/発表者名
      大内徳人,有本靖、王旭東、宗占國、青木和之、土屋清澄、菊池章弘、山本優、河野雅俊
    • 学会等名
      低温工学・超伝導学会
  • [学会発表] Development of Super Fine Strand Nb3Al Cable for SuperKEKB Superconducting Sextupole Magnet System2022

    • 著者名/発表者名
      N. Ohuchi, A. Kikuchi, M. Yamamoto, X. Wang, K. Tsuchiya, K. Aoki, Y. Arimoto, T. Oki, Z. Zong
    • 学会等名
      Applied Superconductivity Conference
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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