本研究課題の目的は、透明なIoT機器を開発するために必要な透明電気配線を実現することである。これまでの透明機器ではトランジスタなどの電子デバイスそのものは透明化しているものの、電気配線に関しては透明化が進んでいるとは言えない。そこで本研究課題では、ZnOのような電気が流れる透明薄膜をガラス基板やプラスチック基板上に形成することで透明な電気配線の実現を目指す。 当該年度は、電気を流す透明材料としてITO(酸化インジウムスズ)やZnO(酸化亜鉛)などを用い、それらをプラスチック基板上に形成することで透明であるのに導電性を有する配線の形成を確認した。現時点では最大1 mAの電流を流しているが、これは、成膜した膜厚が1マイクロメール未満であるため大きな電流が流れると破壊されるためである。また、透明材料を実デバイスの一つであるイオンメモリ素子に適用し、そのスイッチ動作も確認した。
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