研究課題/領域番号 |
22H03899
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 兵庫県立工業技術センター |
研究代表者 |
後藤 泰徳 兵庫県立工業技術センター, その他部局等, 室長 (70470242)
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研究分担者 |
福田 純 兵庫県立工業技術センター, その他部局等, 研究員 (20882830)
兼吉 高宏 兵庫県立工業技術センター, その他部局等, 部長 (50470216)
吉岡 淳也 兵庫県立工業技術センター, その他部局等, 研究員 (50830353)
福井 航 兵庫県立工業技術センター, その他部局等, 主任研究員 (60632742)
平田 一郎 兵庫県立工業技術センター, その他部局等, 主任研究員 (80470243)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 人間中心設計 / 筋骨格モデリングシミュレーション / プロダクトデザイン |
研究実績の概要 |
初年度は主に身体・運動計測用シミュレータの開発と構築を進めた。今年度は、独自に構築した身体・運動計測用シミュレータを用いた計測システムの構築を進めた。開発したシミュレータによる計測においては、被験者のライディング位置を調整可能にするとともに、走行実験時の運動や乗車姿勢はIMUセンサによるモーションキャプチャで計測、サイクル側のハンドル、サドル 、ペダルといった触れる部分の反力は歪みゲージで計測、後輪の回転運動は出力ワット数計測器で計測が可能になった。また、自転車の乗車運動による筋活動を解析するモデルの開発も行った。このモデルは計測したデータを筋骨格シミュレーションモデルに入力することで、骨格の動きや筋肉の動きを解析できるモデルである。このモデルを活用することで、各筋肉の筋活動量、代謝エネルギーなどを解析が可能となった。 また、自転車フレームのトポロジー設計にも取り組んだ。計測シミュレータに使用している自転車から3Dモデルを作製し、フレーム箇所にトポロジー最適化を適用した。トポロジー最適化の条件は、設定安全率を下回らない限りの質量の最小化、設定質量割合になるよう軽量化を目標とした剛性の最大化の二種類とし、荷重条件は、自転車の走行シミュレータにより得られたハンドル、ペダルなどに発生する荷重数値を設定した上でトポロジー最適化によるフレームの基本設計案を複数案デザインすることができた。 また、日本感性工学会大会、計測自動制御学会、日本人間工学会等での学会発表も積極的に進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は主に身体・運動計測用シミュレータの開発と、その解析モデルの開発を進めた。開発したシミュレータは、実際に自転車に乗り、その運動を計測できるシステムである。自転車には乗車姿勢を定義しやすいクロスバイクを採用し、その動きをIMUセンサによるモーションキャプチャで計測する。運動によって作用する力を計測するために、自転車側のハンドル、サドル 、ペダルといった触れる部分に歪みゲージを貼り付けて力を計測することができる。また、後輪にスマートトレーナーを設置することで後輪出力(仕事量)も計測することができる。これらのデータ(動き、力、仕事量)を同期させることで解析の元データとして出力することができる。また、自転車の乗車運動による筋活動を解析するモデルの開発も行った。このモデルは計測したデータを筋骨格シミュレーションモデルに入力することで、骨格の動きや筋肉の動きを解析できるモデルである。このモデルを活用することで、各筋肉の筋活動量、代謝エネルギーなどを解析することができる。 以上の身体・運動計測用シミュレータの開発に加え、自転車フレームのトポロジー設計にも取り組んだ。自転車の3Dモデルを作製し、フレーム箇所にトポロジー最適化を適用した。3Dモデルは、ホダカ株式会社のKhodaaBloomブランドのRAIL ACTIVEのジオメトリー数値を使用した。トポロジー最適化の条件は、設定安全率を下回らない限りの質量の最小化、設定質量割合になるよう軽量化を目標とした剛性の最大化の二種類とした。荷重条件は、自転車の走行シミュレータにより得られたハンドル、ペダルなどに発生する荷重数値を設定した。トポロジー最適化を適用した結果、荷重条件、最適化条件の違いによって形状が大きく変化していた。最適形状の導出のためには荷重条件の調整及び最適化条件の模索が必要と想定される。
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今後の研究の推進方策 |
初年度は主に身体・運動計測用シミュレータの開発と構築を進めた。今年度は、独自に構築した身体・運動計測用シミュレータを用いた計測と、実機による走行運動計測を行う。開発したシミュレータによる計測においては、被験者のライディング位置を調整可能にするとともに、走行実験時の運動や乗車姿勢はIMUセンサによるモーションキャプチャで計測、サイクル側のハンドル、サドル 、ペダルといった触れる部分の反力は歪みゲージで計測、後輪の回転運動は出力ワット数計測器で計測することができる。これらの計測したデータを元に、筋骨格シミュレーションモデルを使って逆動力学的に各部位の筋活動量などを解析可能である。 今年度はこの計測用シミュレータを活用して、身体寸法や走法の特徴を活かしたフレーム設計・制作に焦点を絞り、工業技術センター保有CAD・CAEやトポロジーソフトウェア、さらにジェネレイティブデザインを用いて行う。 さらに、テスト用にデザインしたフレームを鋳造製作するための方案(湯道や堰、押し湯、上がり等)についても検討する予定である。
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