研究課題/領域番号 |
22H03933
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
石島 歩 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (80822676)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 細胞イメージング / 分光計測 / 非弾性散乱 |
研究実績の概要 |
本研究では,光の非弾性散乱を活用することで細胞の様々な特性の高速,ラベルフリーかつ非侵襲なイメージングを実現することで,新たな細胞診断法を実現する.1細胞レベル以下の空間分解能を有しながら,多量の細胞群に対して多変量統合解析を可能とし,生命現象の詳細な理解を促進するとともに,疾患の原因解明や新規診断治療法の創出につなげ,健康長寿社会の実現に貢献する.研究期間内における目標値として空間分解能<1 μm,画像取得時間< 30 msを達成するラベルフリーイメージング技術を確立することで,100 cells/sの解析速度を有する多変量同時解析イメージング型サイトメーターを開発する.多量の細胞群に対して,多様な情報の統合解析を可能とする.研究項目として,1)顕微分光システムの開発,2)三次元細胞イメージング,3)顕微イメージング分光フローサイトメーターの開発を設定している.本年度は顕微分光システムの開発に取り組んだ.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究項目として,1)顕微分光システムの開発,2)三次元細胞イメージング,3)顕微イメージング分光フローサイトメーターの開発を設定している.本年度は顕微分光システムの開発に取り組んだ.構築した顕微分光イメージング系を用いて,固定化細胞のイメージングを行った.自身の研究機関の異動があったため,イメージング系を一度解体し,異動先での再構築を現在急いでいる.異動先で構築中のシステムでは,これまで使っていた低繰り返し光源よりも高繰り返し光源を用いる予定であるため,同期系を含めたシステムの再設計にも取り組んだ.加えて,制御ソフトウェアを見直し,従来よりも高速な計測とデータ処理が可能となるようにプログラミングした.以上から,本年度は研究環境の整備に注力した.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,顕微分光システムの動作確認を最優先事項として取り組む.現所属先において,これまでと同様な計測が可能であることを確認した後,より高速なシステムを作りこんでいく.そのためのハードウェアとソフトウェアの設計と一部の実装は既に完了しているため,2023年度では培養生細胞のイメージングを実現する.
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