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2023 年度 実績報告書

時間分解分光法で推定した脳萎縮度を用いる軽度認知症の新スクリーニング検査法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22H03979
配分区分補助金
研究機関日本大学

研究代表者

大山 勝徳  日本大学, 工学部, 准教授 (50615606)

研究分担者 山田 亨  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (10344144) [辞退]
谷川 ゆかり  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究部門付 (20344202)
川口 拓之  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (60510394)
守屋 正道  地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (80848135)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード時間分解分光法 / TNIRS / 脳萎縮度 / 脳溝
研究実績の概要

本研究の目的は、時間分解分光法(TRS-NIRS)を用いた軽度認知機能障害(MCI)のスクリーニング手法の確立である。脳萎縮に伴う脳脊髄液層(CSF層)の厚さや脳溝の広がりが近赤外光の平均光路長に影響を与えることが分かっているが、その具体的な影響は不明である。本研究では、光伝播シミュレーションやファントム実験を用いて脳萎縮と平均光路長の関係を明らかにし、教師付き学習モデルを用いてMCIを予測可能な手法を開発することを目指す。この手法は、低コストで入手可能な計測データを用いて、高い精度で軽度認知症のスクリーニングを実現することが期待される。研究の一環として、新たなTRS-NIRS計測を行い、MRI計測結果から算出される脳萎縮度と比較する横断的研究を実施している。
今年度は,12月に倫理審査委員会の承認を得ることができたため,目標とする20例前後の解析を開始した。これまでのTRS-NIRS計測結果からは,仮説を支持する脳萎縮度と平均光路長の関係が示されているが,脳萎縮度を推定するための有効な特徴量を抽出するには,研究期間内でのサンプルサイズが不足することが予想される。
したがって次年度では,統計結果を基にファントム実験や脳機能シミュレーションを実施するだけでなく,CTGAN(Conditional Tabular Generative Adversarial Network)と呼ばれるテーブルデータを生成する敵対的生成ネットワーク(GAN)を積極活用し,限られたサンプルサイズで妥当性の高い予測モデルを生成し,探索的な分析手法で脳萎縮度を推定するための特徴量を明らかにする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

TRS-NIRS計測結果と紐づいているMRI計測結果を解析するために,倫理審査の審査を経ている必要はあるが,研究代表者の機関の医学部で中央一括審査を行う必要があるために1年以上を経て令和5年12月に倫理審査委員会の承認を得た段階である。
その間,別の課題として敵対的生成ネットワーク(GAN)を積極活用し,限られたサンプルサイズで妥当性の高い予測モデルを生成するアルゴリズムを考案し,その有効性を検証した。TRS-NIRS計測結果とは異なる血液検査結果を入力したときの予測結果のロバスト性が向上することを明らかにした。TRS-NIRS計測結果から新特徴量を抽出するアルゴリズムを提案する方法の成果として,現在論文化を進めている。

今後の研究の推進方策

次年度では統計結果を基にファントム実験や脳機能シミュレーションを実施するだけでなく,テーブルデータを生成するCTGANを積極活用し,限られたサンプルサイズで妥当性の高い予測モデルを生成し,探索的な分析手法で脳萎縮度を推定するための特徴量を明らかにする。その過程で,TRS-NIRSの結果の一部と紐づいた被験者のMRI計測結果からCSF層の厚さや脳溝の幅を求め,その統計結果に基づいてファントム実験や脳機能シミュレーションを実施を試みて,その結果から脳萎縮度を推定するための特徴量を見出す。それと同時に,脳萎縮度を目的変数として酸素飽和度や平均光路長等を説明変数としたときの回帰分析や検定を行い,脳萎縮度の推定可能性を検証する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 機械学習による認知障害の予測:脳信号(NIRS)と 全身性代謝(一般血液検査)の比較2024

    • 著者名/発表者名
      大山 勝徳
    • 雑誌名

      日本認知症学会誌(Dementia Japan)

      巻: 38 ページ: 100-105

  • [雑誌論文] 認知症スクリーニングのためのtNIRSと一般血液検査の活用2023

    • 著者名/発表者名
      大山 勝徳, 酒谷 薫
    • 雑誌名

      Bio Clinica

      巻: 38 ページ: 632-634

  • [学会発表] Predictive ability of dementia risk: A comparative study of NIRS, blood test, and periodontal disease test2023

    • 著者名/発表者名
      Katsunori Oyama, Yohei Nakayama, Ryo Kobayashi, Kaoru Sakatani
    • 学会等名
      International Society on Oxygen Transport to Tissue (ISOTT)
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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