研究課題/領域番号 |
22H03983
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
山村 昌平 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (50432141)
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研究分担者 |
重藤 元 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (60805662)
秋山 靖人 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (70222552)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 1細胞解析 / 細胞チップ / 核酸プローブ / 循環がん細胞 / 遺伝子変異がん細胞 |
研究実績の概要 |
独自の超集積型細胞チップと核酸プローブを用いて、多数の血液細胞を分離配置し、その中から循環がん細胞(CTC)を検出し、さらに遺伝子変異解析までが可能なオンチップがん診断システムを開発する。今年度は、金型を用いた射出成形技術を用いて、樹脂製マイクロアレイチップを作製した。チップにおけるマイクロチャンバーの直径、深さ、素材や表面処理等の諸条件を検討し、展開する細胞数、吸着性、展開効率などの最適化を行った。特に、白血球が均一かつ単一層に吸着する配置条件を検討した。これまでに白血球約180万個を単一層に配置する細胞チップを開発しており、本プロジェクトで高集積化(マイクロチャンバー数を2万個から7.8万個)することにより500万個以上の細胞を均一かつ単一層に配置することに成功した。したがって、複数枚の超集積型細胞チップを用いて、細胞ロスなく1千万個以上の白血球を均一かつ単一層に配置できることから、高感度なCTC検出系であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、金型を用いた射出成形技術を用いて、超集積型細胞チップを構築することが大きな目標であった。これまでに開発した細胞チップでは約180万個の白血球細胞を配置できていたが、高集積化することによって500万個以上の細胞を均一かつ単一層に配置できる超集積型細胞チップの開発に成功した。したがって、複数枚のチップで1千万個以上の細胞も解析できることから、高感度なCTC検出系として次年度の研究開発に繋がるため、順調に進展していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
今後、作製した超集積型細胞チップを用いて、CTC検出のモデル系の構築を目指す。まずモデル系として、白血球細胞に添加するメラノーマ細胞を0.1%から0.0001%程度に細胞濃度を変化させ、蛍光顕微鏡下でがん細胞濃度を定量検出するための条件を洗い出す。それと同時に、抗体多重染色をチップ上で行い、より正確なCTC検出ができるシステムを目指す。また並行して、遺伝子変異がん細胞を検出する核酸プローブの設計作製も開始する。
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